秘密の好きなところはここだよ
と言って彼は私の中を指でなでる。
優しい目が私の瞳を見つめている。
触ってごらんと言って
私の指を導いて、一緒に中へ。
彼が丁寧にほぐした私の身体は
やわらかく、とろとろになっていて
二人の指に吸い付いた。
指を重ねて、気持ちいいところを一緒になでる。
身体が熱くなって頭はぼーっとしている。
ここだよ、秘密、このザラザラしたところ
彼が重ねた私の指で間接的に優しくなでる。
気持ち良くて、優しくて、
何もかもが満ち足りている。
幼い頃、苦労したんだね、
ふと話の流れでそうささやいて、
私を見つめる。
そんなにではないけれど…
今が一番しあわせなの。
そう答える私を抱きながら、
彼は優しく、
僕も
と答えた。
病と闘いながらもこんな風に言える彼を
私は世界で一番美しいと思う。