嘘つきと極上の声と器
時として嘘をつくことが必要になることもあると思う。
でも、時折、
「この人、何のために嘘ついてるのかな~」
と思うことがある。
見せたくないって強く意識してるものは、どうせ透けて見える。
悪く思われたくないから?
嘘をつかないと関係性が続かないから?
そこにどんな意味があるのかな、、、
みたいなことを考えたりする。
もしかしたら自分の大切なナニカをカミングアウトしたことで、
辛い思いをした経験があるのかもしれない。
みたいなことを想像してみたりする。
私には、「この位のトラウマがあって、なかなか自分の素を見せられない、、、というのであれば仕方ないよなぁ。。。」という基準になった名作がある。
1990年にアメリカNBCが製作したアーサー・コピット版の『オペラ座の怪人』
☆The Phantom of the Opera
監督:トニー・リチャードソン
出演:バート・ランカスター、チャールズ・ダンス、テリー・ポロ
この作品のヒロインのクリスティーヌが最低な女で…
嫌がるファントムに対して、散々粘って「私にもあなたを愛させて」と懇願した上で、唯一愛してくれた母親の面影を求めて、勇気を出して仮面を外したファントムの素顔を観た瞬間、あっという間に気を失うという始末・・・
初めて観た時、まだ10代だった私でも、この最低最悪ヒロインに怒りがこみ上げて堪りませんでした。ちなみに、ラストシーンも「愛してるならお願い!」とファントムの愛を搾取するようなシーンがあり、幼心に本作の未熟すぎるヒロインにイライラがおさまりませんでした。
「この女の何がいいんだ!」
「そっか、(お母様を思い起こさせる)天使の歌声だからか・・・」
と何度も何度も自分に言い聞かせた記憶があります。
それほどまでにイライラするヒロインが登場するにも関わらず、
それでも何度も何度も観てしまう理由は、
『オペラ座の怪人』という作品の丁寧な描かれ方と、バート・ランカスターさん演じるファントムの繊細で素敵な演技と、彼の吹替で歌唱部分を担当しているテノール歌手のジェラルド・ガリーノ(Gerard Garino)さんの【声】なのです。
私が男の人の声で一番最初に好きになったのはこの方。
同じ曲をこんなに何度も聴きたくなるのは初めてかもしれない・・・
という位、クライマックスのファウストは見事で・・・堪りません。
過去にもblogで熱烈な想いを書いてる( *´艸`)
☆立ち位置:http://ameblo.jp/himily/entry-10207244533.html
ずっと身を潜め隠れて生きてきたファントムが、誰も注目せざるを得なくなるような美声と共に明るい舞台に現れて、伝えることのなかった想いを音楽に乗せて初めて表現することになるこのシーン…
映画・舞台などで、いろいろな方がファントムを演じられていますが、後にも先にも、わたしにとってのファントムはきっと優しい、でも力強い、包容力のあるこの声です。(オペラの本番中に乱入したファントムに、本役の俳優さんが困りつつも演技を続けようとする描写とかも、舞台俳優さんのリアルがあって好きです。)
久々に観たこの作品。
愛を求め続けているようにみえるファントムが、クライマックスで歌いながら愛を伝える時、かつて自分の母親が浮かべたような慈愛に満ちた微笑みを浮かべるのだなぁとしみじみ思った。
傷つけられようと、裏切られようと、切なかろうと、
愛する人をありのまま受け容れて微笑める人間の器って美しい。
感謝💕ひみ