グロテスク
- 桐野 夏生
- グロテスク
1997年の東電OL殺人事件
をモデルに描かれた作品。
(ちなみにこの事件は未だ解決していない)
昼はエリートOL、夜は娼婦。
エリートOLなゆえ、お金目当てで娼婦になっていたとは考えにくい。
では殺害されたOLは何故、売春していたのだろう。
それを人間の『陰』の面を如実に描くことで解明しようとしている。
「格差社会」と言われる現代。
『容姿・富・知力・性別』によって人生は左右される。
この作品には4人の女性が登場する。
・ わたし(主人公。最後まで名前を明かされることはない。
名前を明かさないことで主人公へ自己投影しやすくしている。)
・ ユリコ(主人公の妹。
主人公とは相反する美貌の持ち主。)
・ 和恵(主人公の高校の友達。
事件で殺害されたOLをモデルにしている。)
・ ミツル(主人公の高校の友達。
エスカレート式学校の初等部から通う。成績はトップ。)
私自身、面白いと感じたところは
女性を植物に喩え、男性を水に喩えている点だ。
結末に期待する作品ではないと考える。
ただ読み出したら止まらない、
ヒトの心を引きつける何かが潜んでいる作品である。
そして、モデルとなったOLの一面を垣間見ることができる作品でもある。
