16歳から業界に入り、風嬢暦6年。
6年前
所詮あたしの過去なんて
誰にも受け止めてなんてもらえない。
もう何年も前からずっと心のどこかで気づいてきたこと。
いつもいつも目の当たりにする、同じことの繰り返し。
きっといつ、どんな時代がきても、
あたしが認められることもなければ、
普通に生きていくこともできない。
何も考えずに足を踏み入れた風俗の世界。
ただ時が経つにつれてその代償との葛藤も増す。
この仕事のおかげで、どうあがいても得られないものがアル。
6年前のあたしに会えるなら言ってやりたい。
「絶対やめとけ」って。
欠落品
自分を大事にできない人間が、
人を大事にできる訳がない。
あたしがこうして生きてきたことを、
ここに綴っていくこと、
傷痕かな・・・
こんなこと言ったら同業者の方は気を悪くするかもだけど、
性産業にはきっと生産性がない。
人間だったらできる。
あたしってきっと致命的な欠落品。
