涙の理由 ~第2話~
しばらくして、松潤がやってきた。
「リーダー、どうしたの?突然。
リーダーからの呼び出しって珍しいし(笑)」
笑顔で話しかける松潤に少し、勇気をもらった。
深呼吸してから、話し始める。
「あのね・・・。
松潤は気づいてるかもしれないけど、俺が最近、作り笑いが多いの」
松潤はさっきまで、笑っていたけど、
俺が話し始めたら、真剣な顔になったし。
作り笑いで、気づいていたのだろう。顔が強張ったきがした。
「どうしても、うまく笑えなかったから、病院にいったんだ」
「うん。」
相槌を打ちながら聞いてくれる、松潤。
「顔面麻痺だって言われた。」
そう言った瞬間、松潤が泣きそうな顔をした。
「それは、ほかのメンバーとか言ったの?」
「ううん。松潤が始めただよ、言ったのは。」
「一生治らない病気では、ないんだよな?」
心配そうな松潤が聞いてくる。
「うん。治療法はあるから、治せるけど、
やっぱり、俺自身も頑張らないと、治せないって。」
「そっか。」
少し、ホッとしたような松潤。
やっぱり、最初に松潤に相談してよかったな。
と、思えた。
「このことは、ほかのメンバーにも言うつもり?」
「みんな忙しいし、仕事の邪魔をしたくないから、まだ言わない。
言うときには、みんなに、自分の口で言うよ。」
「分かった。じゃぁ、俺とリーダーだけの秘密だな」
笑顔で、右手で作った拳を差し出した松潤を見て、
俺も、右手を拳にして出した。
二人の拳があたったときは、松潤と心から笑えた気がする。