・主人公
龍之介
ゆきの

・舞台
上尾

土手、河川敷


・物語は龍之介が土手を歩いているところから始まる。
・命に関わる大病を患うが治る

■何を伝えたいか
世の中は自分の思うようには行かない。でもあきらめずに希望を持ち続けていれば何かが起こる。
大人になっていくと社会のことが分かるようになり諦めてしまう。

■設定
・龍之介(佐々木イメージで)
一人称 俺
クール、ファイトがある、思いやり
タバコ吸う(セッタ)
好きなもの おにぎり(白米)
趣味 特にこれといったものは無い
専攻 政治・経済
目標 一流証券会社


大学でゆきのと知り合い、何かをきっかけに付き合い始める
命に関わる大病を患うが、奇跡的に関知
大学に通い、普通の就職を目指し内定も得るが、理不尽な内定取り消しにあい、無職・フリーターへ
ゆきのとの結婚も考えていたが、フリーターである龍之介はゆきのの両親の猛反対にあい、不可能になる
フリーターや結婚への反対により心労が重なり倒れる
闘病生活時に病院で見た、日本の戦争映画がきっかけで、治った後に俳優を目指す、哀戦士
最終的に俳優になる、映画がメインなので誰もが知るというほどではないが、分かる人が見れば分かる程度

・ゆきの
一人称 私
明朗快活、近所のお姉さんタイプ
ゆきのが龍之介を普段引っ張っているが、ゆきの自身は龍之介のことを頼りに思っている
趣味 カラオケ、スポーツ全般
専攻 経済
目標 会計士

龍之介と結婚を考えるが、龍之介がフリーターになってしまったため両親に猛反対を受けて諦めてしまうフリーター時に色々と心労が重なり倒れてしまう
医者に不治の病を宣告され、失意の底に落とされる
龍之介は病気のことをゆきのに告げず、二人だけの結婚式を開き、別れる
最終的に龍之介以外との男と結婚する

・ホームレス
龍之介が大病を患う前に、龍之介がよく訪れる公園で出会う
最初は龍之介の愚痴を聞いていたが、何か共通の話題から仲がよくなる
失意の念に落ち込む龍之介を慰め、励ます

・藤岡
龍之介を慕う後輩
明るく、何にでも喜びを感じられる性格

・医者
龍之介が大病を患った時の担当医

・柚木(お姉さん)
龍之介がフリーターになった時に出会う年上の女性
龍之介の愚痴を聞くが、自分の寂しさを紛らわすためでもある



 あれはもう10年も前の話になる。まだ俺が大学2年だった頃、確かテニスか何かのサークルの新歓コンパでゆきのと出会った。あまり賑やかすぎる場所は苦手だったので声をかけられる前に帰ろうと思ったのだが、同期の藤岡にどうしても一緒に行ってほしいといわれて渋々参加することになった。初めてゆきのを見たときの印象は、その年齢にはやや見合わない気風のよさから先輩や後輩からも慕われている姉御肌タイプの人間だと思った。


ゴメン

ねぇ……

自分のせいで人が死んだことってありますか?
2人がはじめて色々、話したのはブランコに乗りながらだったね。

あれは、君と別れて3年目の夏。

君が東京に来てくれたね。俺は早く会いたくてうきうきしてたんだ。昔の思い出がきらきらと噴出してくるような……心が大きく揺れていた。

ゴメンな。
誤るなんて簡単だよな……。でも、謝ることしかできないんだよ。
俺の軽率な行動が君を悩ませ、あんな事になるなんて。

俺はね……
あんな事になるなんて想像もしてなかったんだよ。


 龍之介は、見慣れた土手を歩いていた。龍之介が煙草に火をつけると、どこかで行われている草野球のヤジが耳に入り、気だるい春の陽気を感じさせる。朝露の残った草を踏みしめて一本の木の前にたどり着くと、その木の足元のやや禿げて土が出掛かっている部分を掘り起こし始めた。スコップでも持って来れば良かったかな、そんなことを考えながら龍之介は手が汚れることも気にせず土を掻きだした。30センチほど掘り起こしたところでゴツと固い感触を手に覚えた。そこに埋まっていた、やや錆びた鉄の箱を取出し、上に乗っている土を払い落とす。「こんな箱だったかな」龍之介は自分の記憶にあったものと違ったような気がしたが、とりあえず適当な場所に鉄の箱を置いた。ちょっとした運動の疲れとため息の混じったような息を吐き、箱を開けて覗く。ゲームセンターでとったと思われるキーホルダーや手紙、よく分からない外国の紙幣などちょっとしたおもちゃ箱のような中身を見て思わず笑みがこぼれる。龍之介は煙草を1本取出して口にくわえると、ハート型に折られた手紙を手に取った。手紙は色あせてはいたが、きちんと丁寧に折られており、作った人間の性格が容易に想像できた。龍之介は煙草に火をつけることも忘れたままその手紙をゆっくりと広げ始める。