転院して退院プログラムが始まる前に
VAD(補助人工心臓)の事について
簡単にまとめてみたいと思います。
様々な原因により急性あるいは慢性の経過
から重度の心不全状態(心原性ショック含む)
に陥ってしまった心臓の代わりとして
血液循環を補助するポンプ機能を補う
医療機器。
通称VAD(バド)と呼ばれている。
体外設置型補助人工心臓
血液ポンプが体外に位置する
植込型補助人工心臓
血液ポンプが体内に埋め込まれている
※それぞれの機種は患者さんの状態や治療の
目的によって使い分けられる
▪LVAD⇨左室補助人工心臓(体外式・植込型)
▪RVAD⇨右室補助人工心臓(体外式)
体外設置型VAD適応疾患
・植込型VAD適応疾患の急性増悪、心原性
ショック
・劇症型心筋炎による心原性ショック
・広範心筋梗塞による心原性ショック
・開心術後の低拍出症候群
・難治性不整脈による心原性ショック
上記疾患などで装着し心臓を休ませる目的で
使用される場合もある。
心機能が回復した場合は離脱も可能となる。
離脱できない場合は入院にて治療継続
又は
心臓移植適応と判断された場合は心臓移植
登録を行い、心臓移植待機目的として
植込型VADを装着することができる。
※心臓移植登録には様々な条件をクリアする
必要があります。
植込型VAD適応疾患
・拡張型心筋症
・拡張相肥大型心筋症
・虚血性心筋症(心筋梗塞などで心機能低下)
・心筋炎後心筋症
・一部の先天性疾患
・一部の神経・筋疾患に伴う2次性心筋症
・一部の希少心疾患
上記疾患により心臓移植しか治療方法が
残されていない場合に適応となる。
※心臓移植登録が必要
○植込型VAD機種
▪Eva Heart
▪jarvik2000
▪Heart Mate2/Heart Mate3
など…
○合併症
・脳合併症(脳梗塞・脳出血など)
・ドライブライン貫通部感染
・心不全(右心不全)
・出血
・血栓
など…
植込型VADを入れ自宅へ帰るには
・植込型VAD管理病院から2時間圏内に居住
・機械の管理ができる家族と24時間同居する事が義務づけられている。
退院して自宅療養するために
在宅(退院)プログラムを行う
・在宅へ向けてのトレーニング
・自宅の環境整備
など…
私の場合(VADの経過)
劇症型心筋炎による心原性ショック
⇩IABP・PCPS・インペラ使用後
体外設置型両心補助人工心臓(RVAD・LVAD)
⇩
RVAD離脱しLVADのみ
⇩離脱できず
植込型LVAD装着(Heart Mate3 )
私はHM3(Heart Mate3/ハートメイト3)と
いうVADを装着しました。
補助人工心臓を入れなければならなくなった
時に調べると、VAD・LVADやVAS・LVASと
記載してあったりして始めは分からない
事だらけでした。
デバイスの事はネットにはあまり載って
いないことが多くて、ハンドブックを
読み進めるうちに少しずつ理解できた所も
あります。
(アナログ人間な私の調べ方が悪い説あり)
植込術前にいただいた
HM3患者ハンドブックは分厚くて、正直
あまり読む気にならなくて講習で使用する
要点をまとめてある資料を読めばいっかな!
と思っていました
退院して機械の事を調べたいなと
思った時に役に立つのはやっぱり分厚い
ハンドブックでした。
病院・医療用はもっと詳しく書かれている
だろうから、一度読んでみたいなぁ
HM3患者ハンドブックではVAD・VASは
同一ではないと書かれています。
私ははじめ一緒の事なのかと勘違い
してましたが、ハンドブックでは・・
▪LVAD⇨左心補助人工心臓
(Left Ventricular Assist Device)の略
左心室に接続された脱血コンデュイットから
の血液を送血グラフトを通じて大動脈に送り込むポンプの事。
ポンプ内部のモーターはドライブラインから
電力を得る。
『心臓ポンプ』や、略称の『LVAD』が
使用される場合がある。
▪LVAS⇨左心補助人工心臓システム
(Left Ventricular Assist System)の略
Heart Mate3左心補助人工心臓システムには
ポンプと関連する全ての※外部装置が
含まれる。
『LVAS』と呼ばれることもある。
※外部装置に含まれるもの
ポンプ
ドライブライン
システムコントローラ
モバイル電源ユニット
リチウムイオンバッテリー
バッテリーチャージャー


HM3や在宅(退院)プログラムの流れ・内容、
退院後の生活の注意点・・などは記録として
簡単にまとめながら闘病記の流れに沿って
少しずつUPしていこうと思っています