2020年の闘病記を基に綴っています
VAD装着術前から色々な症状に
悩まされていた私。
倦怠感・悪心・嘔吐・続く高熱・関節痛
食欲不振などなど、、
色々と検査をしてみても細菌感染でもなく
心筋炎や肺炎などの兆候もない。
38℃台の発熱が1週間続いた4/27の夜
S先生が言ってくれた事・・
「みかんさんの熱について内分泌の先生と
話をしているんですが、
ステロイドホルモンの分泌が上手く行われて
いない事が原因かもしれないので、
明日からプレドニン10㎎へ増やしますね」
と

えっ?ホルモン・・?
今までに聞いた事がない原因だった。
とりあえず今日の夜に追加分を服用して、
明日の朝~10㎎になるとの事。
詳しい説明はまたしてくれるみたいだった
から、とにかく原因がはっきりしていない今
ステロイドに頼るしかない!
あと・・なんとなくだけど今回の症状に
関しては抗生剤ではなくステロイドが
効くんじゃないかなぁと感じていた。
その晩、38.1℃でいつもの解熱剤と
プレドニン追加分を服用して就寝。
夜中に少しだけ汗をかいた。
朝になり起きてすぐにちょっとすっきり?
体が軽く感じる
と感じた


4/28
プレドニン2.5㎎→10㎎へ増量
午前中は解熱剤を飲んで熱は出ず。
午前中に出なかった場合、いつもなら昼過ぎ
~熱が出てくるけれど、この日は上がる気配
がなかった。
おお~~

これはステロイド増量が効いているかも

夕食時、担当医のS先生が病室へ来て
今までの血液データを見せてくれながら
今回の熱の原因を説明してくれた。
熱や様々な症状を内分泌の先生に相談した所
副腎不全を起こしているのでは?
と



またまた私の病歴にはない初耳な病名

(※副腎不全については下記🟠に簡単に
まとめています)
先生の話によると・・
1月下旬に行った最初の手術後から
副腎皮質ホルモンの1つ・コルチゾールの
分泌量が低値で副腎の機能が低下している
状態だった⇨副腎不全
心筋炎の治療でステロイド療法を行っていた
ため、経過と共にコルチゾール分泌量は
少しずつ上昇し正常範囲内に近い状態まで
きていた。
ステロイド療法により(コルチゾールを
補っていたため)炎症を抑えられていたが、
今回のVAD植込術という大きな侵襲に対して
コルチゾール分泌量を上昇させて炎症を下げる元気がない状態だった⇨相対的副腎不全
プレドニン量を減量していた(2.5㎎)ため、
炎症に対してコルチゾール分泌量が足りなく
なり相対的副腎不全を起こし、今回の症状が
現れてしまったのでは?
との事。
検査結果をみると、コルチゾールと
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が3/16時点で
低値なのが明らか。
コルチゾールは2.1で副腎不全状態
徐々に上昇しているものの術後の炎症を
下げるだけの分泌量ではないのが分かる。
ステロイド療法が開始になった時からの
血液データを細かく出してくれてあり、
それに沿って説明をしてくれた。
WBC=白血球(基準値4000~9000)
CRP=炎症反応(基準値<0.3)
▪心筋炎再燃しプレドニン療法開始前❪2/21❫
WBC 9410
CRP 8.03
▪ステロイドパルス後(2/22~2/24)
経口ステロイド(プレドニン)30㎎開始❪2/26❫
WBC 16390
CRP 0.52
▪ステロイド25㎎❪3/4❫
WBC 17900
CRP 0.65
▪ステロイド20㎎
WBC 15260
CRP 0.87
▪ステロイド15㎎❪3/18❫
WBC 12940
CRP 1.07
▪ステロイド10㎎❪3/25❫
WBC 11500
CRP 0.92
▪ステロイド5㎎❪4/1❫
WBC 10760
CRP 1.32
▪4/9植込型VAD装着術
ステロイドカバー後5㎎で再開❪4/11❫
WBC 19150
CRP 24.08
※術直後から倦怠感、悪心、嘔吐など
▪ステロイド2.5㎎❪4/21❫
WBC 18780
CRP 10.27
※この日から連日の高熱、関節痛が続く
診断
血液データや今までの経過、症状から
開胸手術という大きな侵襲を受けた事により
身体に強いストレスがかかった。
それにより相対的副腎不全を起こしたと
考えられる。
治療として
ステロイド(プレドニン)を今日から10㎎に
増量して様子をみていく。
検査
適宜血液検査を行い、副腎皮質ホルモン量や
炎症系のデータをみていく。
心筋炎は落ち着いているが、体のどこかに
炎症が起きている可能性もある⇩
4/30にガリウムシンチ検査を行う。
(この検査を行う事は昨日聞いていたので、
検査のための薬液を本日注入していた)
一通りS先生から話を聞いて納得できた

先生がいなくなってから副腎不全について
色々と調べたら、術後に出ていた症状が
まんま当てはまっていてびっくり

そしてステロイド量を増やしただけなのに
あれだけ悩まされた症状がほとんど無く
なっていた事に驚いたと同時に感動

少量でもステロイドが入っていたお蔭で
酷い症状が免れていたんだと思った。
もし入っていなかったら低血圧や低血糖、
意識障害などを起こして、下手したら
ショック状態になっていたかもしれない

と思うとゾッとしたけど、
そうなる前に判明して本当に良かった

ステロイドには
助けてもらってばかりだなぁ

副作用が沢山あるから使用するのが
ためらいがちなステロイドだけど、
必要な時に必要な量を入れて
良くなったら少しずつ減量していく。
時間はかかるし、OFFにできるのかも
分からないけど今回の入院はステロイドに
お世話になりっぱなし

副腎不全が改善するのかも分からないけど、
とにかく様子を見ながら少しずつでも改善
されていくといいな

そして転院に向けての話がもっと
進んで行くといいな~!
と思ったこの日なのでした



🟠副腎不全について簡単に⇩
▪副腎
腎臓の上部にある小さな三角形をした副腎と
いう場所では血圧や血糖、水分、塩分量など
の体内の環境を一定に保つために必要な
ホルモンが分泌されていて、人体が生きて
いく上でとても重要なものとなっている。
大きさはぎょうざくらいで左右にある
2つの部分から構成されている
⇩
・外側 皮質
・内側 髄質
各部分から様々なホルモンが出ている。
副腎皮質の代表的なホルモンの1つ
コルチゾールについて
⇩
コルチゾールの働き
・肝臓での糖の新生
・筋肉でのたんぱく質代謝
・脂肪組織での脂肪分解などの代謝の促進
・抗炎症及び免疫抑制
など…
生体にとって必須のホルモン
この働きからステロイド系抗炎症薬として
治療にも広く使用されている。
ストレスを受けた時に脳からの刺激を
受けて分泌が増える事から
「ストレスホルモン」
と呼ばれている
健常人では1日に約20㎎のコルチゾールが
分泌されている。
重症ウイルス感染症や敗血症性ショック、
手術、外傷、熱傷などのストレスに
さらされた時にはこの数倍が分泌されて
生体を防御するが、副腎機能が低下している
場合にコルチゾールを十分に分泌できず、
こうしたストレスに耐えられなくなり
ショック状態に陥る事がある。
⇩
相対的副腎不全
他の疾患で副腎皮質ステロイド薬を服用
していて急に中止した時にも起こりやすい
ので注意が必要。
発症は急激で放置すれば死に至る
・症状
疲労感、倦怠感、悪心、嘔吐、下痢、腹痛
原因不明の発熱・関節痛、低血圧、低血糖
進行すると意識障害、呼吸困難、ショック
など…
・本性が疑われたら
直ちに水分、Na、糖とともに
コルチゾールを投与する。
原因となる疾患(感染など)があれば
これに対する治療が必要。
治療(私の場合)
相対的副腎不全と診断され血液データ上、
脱水や低ナトリウム、低血糖はなかったので
コルチゾール(プレドニン)の投与のみで
治療はスタート。
血糖値をみるため毎食前に血糖チェックを
行っていくとの事。