卒業前に付き合い始めた、年上の人だった。
出会いはバイト先のお客さん。かっこいいなと思っていたら、連絡先を渡してくれた。デートをしてすぐに付き合い始めた。
彼の家に毎日のように行った。毎日連絡を取り合った。イケメンで、男らしくて、気も利いて、ムードメーカーで、大事にしてくれて、最高の彼氏だった。
大好きだったから、もっと一緒にいたかった。だから家を借りて、一緒に住むことになった。
でも彼名義では家を借りれなかった。
彼は背中にお絵描きがある人だった。堅気の職に就いていたが、籍が抜けていない為、審査に引っかかったのであった。彼は血筋がそういう人だった。
このことは付き会う前に聞かされていたことだった。当時の私は彼に夢中で、とても不安ではあったけれど、家業は辞めることを約束してくれたし、今が良ければいいじゃないかと、付き合うことに決めてしまったのであった。今考えれば甘過ぎる考えだった。
彼名義で部屋を借りたと嘘をつき 、両親の許可を得ることもなく実家を飛び出して、同棲生活が始まった。
地獄の始まりだった。
