旦那へのトキメキは
今日までほとんど感じたことがなかった。

つまらない私の日常が
誰かに必要とされることで
少しだけきらきらとしたのは確かだった。

でも目が合うだけでドキドキとか
触れたいなんて気持ちになったことは
考えても思い浮かばないから
多分ないと思う。

付き合いだした当時、
旦那には彼女がいた。


厳密には彼女と別れるのを私が待っていた状態。

彼女は
旦那と別れるのを拒んで
なかなか私達は付き合い出さなかった。

彼に彼女がいると知っていても
心にぽっかり空いたすき間を
彼で埋めてもいいよね。

人の幸せ取ったら
幸せになんてなれないだろうか。
その葛藤と闘いながらも

私は何度か旦那と縁を切ろうとしたが
旦那の強い推しに、
必要とされてると思い込み、
人の幸せを奪ってまでも
結論旦那から離れることが出来なかった。


旦那は私をつなぎ止めるために
必死に、「待ってて欲しい。必ずちゃんとする」
そう言ってCHANELのネックレスを
約束の印にと私にプレゼントした。

彼氏という存在から
アクセサリーをもらったことの無い私は
愛されている と思い込んで
心がじんわりあったかくなる感覚を
味わった。


そもそも旦那と関係を持った理由は

旦那は
仕事で上司からパワハラを受けている私を見て
遠目から心配していたようだった。

私は必死で、当時は旦那の視線に
全く気付いていなかった。

旦那と仕事上の連絡を取り合う中で
地方のビジネスホテルの中で
私の同僚と私と旦那で
集まった夜があった。
それは旦那の部屋だった。

集まる前に、飲み会があり
私達はほろ酔いだった。


私はその日の仕事で大ミスをして
上司に怒られ、休憩の度に
トイレに隠れて大泣きしていたせいか
旦那の部屋であろう事かウトウトしだし
そのまま寝てしまった。

朝になると私は目が覚めて
私と旦那以外この部屋から居なくなってる事と
旦那が横に寝ていることを認識した。

気まずさ と焦りで
旦那が寝ている隙に急いで部屋を出た。
起きた時、私はちゃんと服を着ていた。

何も無かった、でも、少し動揺した。


その日から旦那と
よく連絡を取り合う仲になった。

旦那は私が受けているパワハラを心配して
飲み会では無理やり飲まされる私が
可哀想だと、こっそり店員に
「あの子がコークハイ頼んだらコーラにしてください」
と頼んでいたそうだ。


そうして旦那に少しづつ心を許した私は
私と距離を縮めたがる旦那を
彼女がいると知りながら
拒むことをしなかった。

弱い私は、旦那と、身体の関係になった。


そこからは止まらなくなった。
付き合う気などなかった。
今だけ。今だけ。
愛されているならなんでもよかった。
必要としてくれる人がいるなら
誰でもいいような気持ちだったから。

でも少しづつ、離れられなくなっていく自分
に気付いていた。
それは愛してるとか、好きとかよりも
また、孤独に戻るのが怖かった。


そして少しずつ彼に依存していった。
彼が本当に好きなのは彼女だった。
私と関係を持ったことに対して
ケジメをつけるために
彼女と別れようとしていた事に

まだ私は気付いていなかった。