窓の外では、ホームレスの男が悪態をついたりはたまた懇願したりしながら、道ゆく人にコインをせがんでいる。外に出る人が絶対的に減った今、彼らにとっては死活問題であろう。

フランスでのコロナウィルス自粛生活も、早40日を過ぎた。不思議なもので、最初に感じた閉塞感は消え、これが普通の生活になりつつある。

家の目の前にあるインド人の小さな食料品店は、普段は利用者をあまり見かけないが、コロナ自粛中は客足が途絶えない。大型スーパーマーケットでの待ち時間とストレスを考えたら、ちょっとくらいぼったくられてもこちらを選ぶ気持ちはわかる。私も、急にどうしてもワインが呑みたくなった時など、このインド人のお店で安ワインを買う。もちろん美味しいわけはないが、呑めないこともないのだ。

パリに住んで、今年で10年目。
日本のニュースはたまにチェックしている。
最近思うのは、日本って意外に危機感がないってこと。真面目な国民性だと思っていたのに、そうでもないのかもしれない。自粛中なのに、繁華街にはひとがごった返し、レストランもまだ営業中!? 
フランス人の方がまだ危機感を持っているのかもしれない。決まりを守ってるし、旅行なんてもってのほか。自粛中は、家で今まで時間無くて出来なかった趣味をやったり、凝った料理を作ったりして、ゆっくり時間を過ごしている。
あんなにカフェが好きで、毎日のようにテラスで呑んで騒いでた人たちがみんな家に引きこもっているなんて、変な状況である。

Bisous (挨拶のキス)なんて、いつになったら出来るのだろうか。コロナウィルスはフランス人の文化や習慣を一瞬にして変えたのである。