自分に合った化粧品の尺度となるのが、化粧品に記されている「全成分表示」です。

現在の化粧品は、どんな成分が使用されているか全表示になっています。

微量でも入っているものは表示されているわけです。

ですから、過去に自分が使って、肌がヒリヒリしたとか、なんとなく違和感を覚えた、肌が赤くなった、肌荒れが起きた、という場合は、何が入っていたのかチェックしてみるといいでしょう。

1種類の化粧品によるトラブルだったら、たくさん成分がある中で、なんの成分が自分に合わないかわからないかもしれませんが、合わない製品がいくつか重なっていけば、自分にとってNGな成分が次第に絞れてきます。

自分で絞れない場合には、合わない化粧品をリスト化して化粧品メーカーなどに相談してみるのもいいでしょう。

スキンケアとは少し外れるもののかかわりのある内容なので触れておきたいものがあります。

それはアートメイク呼ばれる、落ちないメイクのことです。

私が参考にしたクリニックではアートメイクの除去と施術の両方を行っているようで、メイク時間の短縮とギャップの減少が大きなメリットのようです。

私も已然から知ってはいたのですが、入れ墨のようなものだと思い込んでいたのであまり気にしてはいませんでした。

実際には2~3年で自然に落ちる上に、クリニックで落とすこともできるので流行に合わせて書き換えられます。

なかなか悪くないなと考えが改まりました。

2013年に起こった美白化粧品のトラブル以来、化粧品の安全性について、心配している方はずいぶん増えたようです。

基本的には、化粧品の原則として、トラブルが起こらないように作っています。

ですから、トラブルが発生するのは、稀と考えるべきです。

しかし、同じアイテムでも、使う人の肌はそれぞれ違うということは覚えておかなければいけません。

また、肌の状態も日々変化するので、100%常に安全、と言い切ることも正直できません。
メーカーサイドが慎重に商品開発をしていくことはもちろん必要不可欠なのですが、それと並行して、使う側も「自分に本当に合う商品であるか」など、安全性を見抜く目を持つことも必要なのです。

私は、医学と化粧品がうまくコラボレーションすることで、化粧品が持つ魅力がもっと引き出せるようになればいいと考えています。

そのためには、ベースに"健康な皮膚のサイエンス"が絶対必要ですから、われわれ肌のプロも一生懸命協力していかないといけません。

何度もお話ししていますが、カネボウの白斑のトラブルや、茶のしずく石鹸でのアレルギートラブルなどが、起こりました。こうしたことを見ても、危ない化粧品は排除されていく動きに持っていく必要があると思います。

近年、皮膚科の治療の仕上げとして、または症状の再発予防として、保湿ケアが必須だということが常識になりつつあり、そのために「スキンケア化粧品」が使われるようになってきました。

アトピーやニキビで悩む患者さんが快適に日常生活を送れるように、症状を悪くしないメイクアップ製品が作られているのは、みなさんよくご存じでしょう。

ドラッグストアに行っても、たくさんの種類の商品が並んでいますよね。

こうした化粧品開発については、皮膚科学会でも研究発表が行われているほど、盛んなんですよ。

もちろんすべての化粧品がそうとはいえませんが、不安定な状態の肌を安定させたり、治りかけの状態を刺激から守るために皮膚科医も使うほど、化粧品の安全性は高くなっているのです。