「子供の資金を貯めにこの業界へと来ました…」
あっそうなんだと言わんばかりの理由なんてどうでもいい…
そんな顔をしながら作り笑いを浮かべる店長。
歳は恐らく50代…。
私より一回り以上は年上だろう。
彼の目の奥の鋭さから、この業界は長いんだろうと初心者の私でも分かる。
この男がどう思っているのか
その瞳からは読めない。
人妻デリヘル…。
風俗なんて若い子がメインだから、どのくらい稼げるのかなんて検討がつかない。
でも覚悟は出来てる。
早くに結婚し子供が産まれ、誰にも迷惑かけずにここまでやってきた。
それは私のプライドである。
どんな手段でも私はやり遂げる。
「ホテルに行って、お風呂入って、身体を洗ってあげる。恋人みたいに接する仕事だけど、出来るよね?」
適当なスリーサイズを記入しながら店長は私に語りかける。
風俗の面接なんて適当だ。
稼げるか稼げないか…なんて
働いてみなきゃ分からない…。
この業界はある程度の見た目をクリアすれば
後は自分次第なんだよと、その態度から嫌でも伝わる。
それに関心がまるで無い。
この業界は初めてではない。
ピンサロ、キャバクラ、スナック、パパ活…。
30代にも入り、とりあえずの経験はある。
BARにいれば支払いはその中の客の誰かが払ってくれるし、いまだにナンパくらいはされる。
あなたなら稼げるよ??
その一言を待っていたのに
まるで関心のない面接は、淡々と進んでいく。
「初出勤いつにする?」
私は…「ひとみ」になった。