そのときコナミではコウノエベルトという骨盤ベルトがブームで、患者さんに勧めていました。幅2.5センチという幅狭のベルトは装着しただけですっと足腰が軽くなる。3ヶ月ほどは毎日つけていたと思いますが、そのあとはどこへ行ったか、、、
1年ほどのち、開業した頃にはすっかり忘れて腰痛で骨盤を固定した方がよい、と思われる患者さんには自転車のチューブをあげたりしていました。
3年ほど前から伝統空手の道に入り、毎日のように帯をつけ、稽古する暮らしが続きました。空手の帯は幅4.5センチ。長さ2メートル半くらい。体の前で二つ折りにし、ぐるっと後ろに巻いて前の方に持ってきた帯をへそ下で縛ります。
縛り方を覚えるのに長くかかりました。そしてそのコツは、最後両手で帯端を持ち同じくらいの力で左右にグッと引き絞るのですが、これ自体が修行のような。。
分厚い帯を左右の手で地面と水平に同じ力で引き絞る。
できなくて何度も先生にやってもらい、その勢いと正確さにいつも脱帽していました。
帯をへそ下に巻くと、全身が束ねられるように引き締まります。
道着に帯を締める。
意識が自然とへそ下丹田に集中して、体を内観しながら動かす稽古のスイッチが入ります。
私たちは長く、帯を自分の身体の延長として、帯をお供に暮らしてきました。その、今でいうメガネのようにともに暮らしてきた帯を手放して100年あまり。
普段着として着物を着ない人にとっての帯の効用は、武道や骨盤ベルト、妊娠中の腹帯に残っています。
帯を巻く効用は、私たちが帯で固定してきた場所に関係します。古くから帯を巻く位置はおへそから腸骨の上でした。それによって固定されるのは、腰骨と骨盤の関節、左右の股関節の上。
骨盤が固定されることによって、左右の股関節が安定し、腰が入る、下腹に力が入る、という状態になります。
人体を細いストローの集まり、花束だとすると、それを束ねるのが帯、となります。
私たちにとって帯は、体がまとまって動くための大切な道具でした。
整体師、鍼灸師としてたくさんの身体を見ながら、帯を手放した私たちがいかにまとまりのない身体になっているか、を痛感しています。日々の暮らしがその体に投影されます。その偏り疲労の中で、身も心も右往左往している私たちがいます。
帯を暮らしに、取り戻しませんか?
とりあえず家にあるもの、なんでもいいです。ヒモでも、ベルトでも。骨盤ベルトでも(細めでないと骨を固定するだけでなく、他の細かい動きを妨げます)。
帯の効用。
体が楽。
動きやすい。
下半身が楽に固定されることにより、息も入りやすくなり心の安定にもつながります。

