「第94回ポストマンライブ~セントロ編~」 | 樋口了一オフィシャルブログ「ポストマンライブ日記」Powered by Ameba

「第94回ポストマンライブ~セントロ編~」


樋口了一オフィシャルブログ「ポストマンライブ日記」Powered by Ameba



こんにちは。


ポストマンライブ事務局・宣伝マンKです。


先日、「第94回ポストマンライブ~セントロ編~」を行ないました。


本来であれば、「樋口了一・追い出しライブ」を、4月1日に行う予定でした。


この「追い出しライブ」は、また日を改めてやりましょう。




さて、今回のポストマンライブは急遽、USTREAMでのライブ配信という形で、ライブの模様を配信いたしました。


「なんとか多くの人に届けたい」ということが出来ればと考えました。


御覧頂けた方、出来なかった方もいらっしゃると思います。


今後、ライブの映像をYouTubeにもアップする予定ですので、是非、その際にはまた覗いて見てください。


僕らも初めてのライブ配信ということで不慣れな点もありましたが、いかがだったでしょうか?


今後も、こういったことが出来ればと考えています。




今回行った場所はセントロという場所。


ポルトガル語で「センター」という意味で、「手紙」をポルトガル語から日本語に訳した、角智織さんが、10年以上も前から続けている、ホームレスの方々への支援の拠点になっている場所です。




樋口さんは、今から5~6年くらい前に、角さんが訳した本に感銘を受け、直接角さんにメールをして、このセントロという場所に角さんに会いに行ったそうです。


樋口さんはドアをノックする前に、その前を何往復もしたそうです。


「本当に入っていいのだろうか?」


その時、ドアをノックしていなければ


「手紙」の元となる言葉に樋口さんは出会っていません。


音楽をやっている樋口さんが、角さんの本に出会っていなければ


「手紙」の言葉にメロディをつけることはなかったでしょう。


そして、僕と樋口さんが出会うことはなかったでしょう。


このブログを立ち上げることもなかったでしょう。


内田麟太郎さんがこのブログの読者登録をしてくれることもなかったでしょう。


僕もセントロに行くこともなかったでしょう。


嬉野さんがブログでこのライブ配信を宣伝してくれることもなかったでしょう。


紅白を目指し悔し涙を流すこともなかったでしょう。


ポストマンライブを始めることもなかったでしょう。


皆さんと出会うこともなかったでしょう。





あの日、樋口さんがこの場所の扉を開けてなければ。





「まさか、あの迷っていた自分が、ここで今日ライブやっているなんて想像つかなかったでしょうね?」


なんて、樋口さんに聞いてみた。






「今こそ、音楽の力を。」


なんて旗を勝手に作って、会社に掲げている。


僕は、こんな体験をしているから、堂々と会社の仲間にこんなことが言える。






でも、振り返って欲しい。


「なんで、この会社にいるのか?」

「なんで、音楽に関わる仕事をしているのか?」


会社の仲間も、理屈じゃ考えつかない「何か」があるはず。





「なぜ、ここにいるのか?」





みんなの親が、知り合っていなければ?


おじいちゃんと、おばあちゃんが出会っていなければ?





飛躍してますかね?


では


あの時なぜあのCDを買ったのか?


あの時なぜあのコンサートに行ったのか?


たまたま帰る道を変えたら、そこにストリートミュージシャンがいた。


親が好きだったJAZZを子供の頃から聞いていた。


親がロックが好きだった。


子供の頃、子供向け番組を見て歌を覚える子供だった。


あるCMソングが流れると踊っていた。






自分が存在し、なぜその場所にいるのか?






約100ヶ所近い「ポストマンライブに来てください」というメッセージに応えて来た。


「なぜ、僕がそこに居たんだろう?」


震災の1週間前、宮城県の宮古に「手紙」を届けてきた。






「私にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」





「樋口さんにとっての一歩は小さな一歩だけど、その一歩が多くの人を巻き込んだ」


これは、樋口さんに関わった、僕との話。


でもこれは、誰にでも当てはまる話。


「あの日、あの時の決断、一歩が、多くの出来事に繋がる」





正直、なかなか一歩が踏み出せない、出しずらいこともある。


みんな同じ。


今は。





「頑張ろう!」と背中を押すことも、音楽の力かもしれない。


でも


「ここにいるぞ」と


「導く」のも音楽の力かもしれない。


音楽は未来に贈るものだと思ったことがある。


マラソンの給水所とか、道路標識とか


迷った時、困った時に近くに置いてある物だと。


だから、色んな場所に、置き続けるのが僕ら音楽に関わるものの仕事ではないかと。






樋口さんは「手紙」という曲は「ブックマーク」「しおり」と言っている。


「今はこの曲を聞くことが辛いと言う人もいると思う。でも、その人にとって、いつかこの曲の意味が解ってもらえる、この曲が必要となる日が来るかもしれない。だから、僕は歌い続ける」と。




震災の直後、こんなことを考えた。


「今、音楽は必要なのだろうか」と。


なぜ、こんなことを考えてしまったのだろう。


一瞬、立ち止まってしまった。


いや、立ち竦んだのかもしれない。




震災から3週間。


セントロにて僕も一歩踏み出した。


この一歩は、どこに繋がっているのだろうか?


とにかく


一歩踏み出した。


そして、歩み続けるのだ。