朝、マンションの下のコンビニで、ビニール傘を買い会社へ向かう途中、
まさにドラマのような光景が広がりました。
女性ものの財布を持って走る20代後半の男性が曲がり角から出てきてすれ違いました。
それから10秒後、同じ角から20代前半女性が出てきて、
「誰か!!その財布!私のです!!!」と。
30代の僕はとっさに周りを見ました。”ほかに追いかけ(れ)そうな人はいないか”…と。
自分しかいない気付き、50m先の男性を追いかけました。
自分なりの猛ダッシュです。
スタミナに自信は全くありませんが、足の速さに自信はありました。
でも、なかなか追いつかない!?と思ったら、自分、傘をさしたまま走っていました。
そう、朝一のパラシュートランです…
もちろん新品の傘はコウモリになりました。出勤前の体はびしょぬれです。
こうもり傘を路上に放り投げ、全力ダッシュすること200m。
なんとか男性に追いつき、50m程 並走しました。
「まて、まて、落ち着け。」そう男性を説得し走りながら。
すると男性は立ち止まり、「あいつが悪いんだ!犯罪者はあいつだ!!!」と激昂。
「わかった、わかったから、とにかく財布は返してやってくれへんか?」と自分は説得。
男性は少し冷静を取りもどし、意外にもあっさり「じゃぁ、財布は返します…」と。
彼は私に財布を渡し、寂しそうな背中とその言葉だけを残し立ち去りました。
そこで、彼と女性が旧知の仲であったと気付きました。
その後15秒後、ようやく女性が追いついてきました。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
そう言うと、僕の持っていた財布と手を両手でつかみました。
…よくみると、夜の仕事?なんでありえないほどの薄着?…
彼は本当にだまされたんじゃないか?
そもそもこれ、ひったくりじゃなくて痴話ゲンカのような…
その後、僕は女性と目を合わさず、両手で”まぁまぁこれぐらいは…”とジェスチャー。
ある種、自分自身に言い聞かせました。
そして追いかける途中で投げ捨てた新品のこうもり傘を拾いゴミ箱へ入れ、
また、新しい傘をコンビニで買いました…。
彼、そして彼女は帰ってシャワーを浴びて2度寝することでしょう…。(推測ですが)
いいことしたと思ってたけど、所詮は痴話げんかを止めただけかも…。
自分にはパラシュートランによる右足の痛みと、新品のこうもり傘、
そして、雨に濡れたクリンクリンの天然パーマを頭に乗せた1日が残っただけでした。
こんな僕を、だれか…ほめてやってください…


