夢を見た・・・
正確には夢を覚えていたというらしいが・・・
小さな公園に部屋着で立っていた、見渡すと薄汚れたベンチに頭の薄い中年太りの
サラリーマンが酔いつぶれて、だらしなく眠っている・・・
特に見知った顔ではない。
ただ、なんとなくそいつを眺めているとイライラしてきた。
「生理的に合わない」タイプなのだろう・・・
とりあえず起こしてやるか・・・
「こんなとこで寝てると、風邪ひきますよ・・・」声をかけて見たが、やはり酒臭く起きない。
揺り動かしながら同じ言葉をかけてみたが、反応はない・・・
『こいつ、殴っても起きなさそうだなー・・・軽く殴って見るか・・・』
鈍い音がした、牛肉の筋を切るときに似た音だった。
やっと反応した、反応というより寝返りをうっただけのうようだったが、
その時、手が少し強めに腹部にあたった・・・
『うっ・・・』
夢だとはなんとなく分かっていたが、痛みもあり怒りが込み上げてきた・・・
『痛ってーな・・・どーせ夢だし、寝てるし、誰だか分からないし、起してるフリして・・・』
「もしもーし、風邪ひきますよー」
声を掛けながら、殴り続けてみた・・・
何の恨みも無いが、日ごろのストレスもついでに込めて、顔、腹・・・
殴り続けた・・・夢とは言え、血も出ているし、殴っているこっちも疲れと痛みが増してきた、
それが余計に腹立たしく感じ、さらに力を込めて殴り続けた・・・
さすがにそいつも目を覚ましたが、泥酔状態で痛みをほとんど感じていないようだった・・・
「こんなとこで寝てると風邪ひきますよ・・・」
フラフラとしながら起き上り「う~ん・・・あぁ・・・そーだなぁ・・・」
千鳥足で歩きながら帰って行った・・・
辺りは静まり返っているただの公園にポツンとひとり立っていた・・・
「ピピ、ピピ、ピピ、ピピ・・・」
目覚ましの音で目が覚めた。
目覚ましを止め、天井を見つめながら起きたばかりの、
半覚醒状態の脳で『今の夢は何だったんだろう?』
『何の意味があるんだろう?』と考えてみたが、答えなんて分かるはずもない、
『支度でもするか~』
テレビをつけ、洗面所まで行き顔を洗い、朝食の支度を始めた・・・