どこまでも続く水田の真っ直ぐな道をバイクで突っ走っていた。田植えの時期で水が入れられ苗が並んでいる。風はなく水面に青い空と雲が映っている。エンジン音が気になり止まった。オイルと草と土埃の臭いが鼻を突く。その瞬間古い記憶が甦った。
「錆びだらけのオイル臭い車の陰で草むらに伏せて銃を構える。鳥の鳴き声もしない静けさの中、近くの川の流れと揺れる木々の音に神経を集中させる。後ろに気配を感じて振り向くと同時に撃たれる。パス、パス、パス、胸とゴーグルに玉が当たる。奴は大きな笑い声をあげた」
戦争は知らないし、モデルガンで遊んでいた若い頃は何も考えてなかった。気がつくと、今や猫とゴロゴロしながら中年太りの下っ腹を気にしてダイエットに苦しむ日々。大きなボールに座ってみたり平和な毎日を過ごしている。SNSやTVで知る世界の現状。関心がなかった若いときには愛の意味もわからなかったのだと思う。地球上では何千年も争いや犯罪、迫害、虐待、環境破壊、貧富の差が繰り返されている。科学が進んでも人類全体の精神的、神霊的成長は少しずつしか進んでいない。人類は次の段階に登って行かなければならないと思う。











