音楽業界ではよくあることだが、『尊敬』『敬愛』するアーティストへの敬意を表す”トリビュート”というものがある。
著名なバンドや、アーティストがその”トリビュート”するアーティストやバンドの曲を演奏して、一枚のアルバムにするものをトリビュートアルバムというのだが、そのアーティストやバンドへの『愛』は解るが、困ったことに多くの場合ががっかりさせるものが多い。
原曲が軸になっているから、それと比べるからそうなるのだろうが、大概失敗するものだ。
なぜ、そんなこと言うのかというと、今聴いている一枚がトリビュートアルバムなのだ。
モット・ザ・フープルのメンバーだったモーガン・フィッシャーが発案者となって日本限定で1996年にリリースした『Moth Poet Hotel:A Tribute Mott The Hoople』だ。
1曲目がモットの代表曲である『All The Young Dudes』で、これがひどいのだ。
参加しているメンバーはそうそうたるメンバー(ヴォーカリスト)だ。
吉井和哉(The Yellow Monkey)、甲本ヒロト(The High Lows(当時))、宮沢和史(The BOOM)、森重樹一(ZIGGY)、山口 洋(Heat Wave)、延原達治(The Privates)等々だ。
彼らが、メドレーで歌うのだが聴いてられない。
言っておくが、それぞれアーティストとして好きなアーティストばかりだ。
それなのに、しっちゃかめっちゃかなのだ。
2曲目以降はそれぞれが曲をカヴァー(なぜか、ほとんどのバンド(アーティスト)が日本語の歌詞に変えている)しているのでまだ聴けるのだが、何せ出だしが聴いているこっちが恥ずかしくなる出来栄えなのでなんだかなえてしまう。
トラックリストを列記すると、
1.Moth Poet All Stars : All The Young Dudes
2.EASY WALKERS : Rock And Roll Queen
3.THE YELLOW MONKEY : Honaloochie Boogie
4.HEAT WAVE : Ballad of Mott The Hoople
5.BRIAN MAY(Queen) : All The Way From Memphis
6.宮沢和史 : I Wish I Was Your Mother
7.THE HIGH-LOWS : The Golden Age Of Rockin' You
8.THE PRIVATES : Death May Be Your Santa Claus
9.PSYCHODELICIOUS : Trudi's Song
10.MORGAN FISHER : Moth Poet Hotel
と、いった内容だ。
ちなみに、モーガン・フィッシャーは1980年代から日本に在住し、日本の多くのアーティストと音楽活動をしているそうだ。
そういう交流の中からこのトリュビュートアルバムは生まれたようだ。
トリビュートアルバムは中々うまくいかないものだ。
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