熊本に住み出して演劇を観る機会が無くなった。
今の演劇の状況とはどうなっているのだろうか。
自分たちの世代が若い頃、演劇の変わり目で、『静かなる演劇』と言われていた。
フィクションの度合いが低いのが特徴だった。
派手に声を張ったり、オーバーリアクションなどが無く、自然な芝居が多くなった時期だった。
元々、80年代演劇の感情過剰で踊ってしまうような演劇が嫌いだったわたしは自分が思っていた演劇の台頭に喜んでいた。
その代名詞になったのが平田オリザ氏が作演出をしていた『青年団』だった。
一見すると劇的な事が起こっていないような劇でも逆に緻密な演出が必要だし役者の身体の在り方が重要で、稽古は針の穴を通すような作業である。
声を張らないので一見すると普通に喋っている様に見えるが、実際は実時間より1.5倍くらいスピードが早かったりというロジックがあったりした。
その様な『静かなる演劇』の根本にあったのが小津安二郎の世界観があった。
そこにコメディの要素を取り入れた『 遊園地再生事業団』や『東京乾電池』、『ナイロン100℃』は英国のコント集団『モンティ・パイソン』の影響があった。
あれから20年以上経ったが今の演劇はどういうものが主流なのだろうか。
そして、どういう変化を経ているのだろうか。
ふとそんな事を犬の散歩をしながら考えた。
帰宅後、朝食を摂って書斎に入る。そして、音楽をいつものように聴いている。今聴いているのがこの一枚だ。
ミッシェル・ガン・エレファントの1999年にリリースされたベスト盤『Rumble』。
バンド初のベスト盤で、すでに発表済みのマキシシングルに収録された楽曲をリマスタリングされたベスト盤。
ベース音が凄く強調されたリマスタリングになっており、少しボリュームを上げるだけでインパクトが凄い。
本作に収録された曲は、この次に出されたベスト盤『TMGE106』には収録されていない。
なので、趣が違ってまた違ったミッシェルを聴くことが出来る。
6曲目の『カーテン』(4thシングル『カルチャー』収録曲)など、持ち味のスピード感を抑え、かつ重厚なロックを聴かせてくれる。
本作を聴いていたら、福生に行きたくなった。
ドライブで横田基地沿いの店を回ってみたい。もう何年行ってないだろうか。
20年は経っているはずだ。
ファストファッションではなく、古着屋で吟味した服を買いたい。
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