現在京都市美術館でやっている「フェルメールからのラブレター展」見に行ってきました。
フェルメールは昔、大阪市立美術館で「青いターバンの少女」を見て以来好きな画家の一人。
あの時は高校生ぐらいやったけど、その絵を見て
無垢な少女の視線に心を奪われ
胸を締め付けられるような思いをしたのを覚えてる。
一目惚れで恋に落ちた瞬間と同じような感覚やった。
絵画って人の心をこれほど惹きつける力があるんやと気付かせてくれた画家。
そんなフェルメールの作品が久々に見れるとワクワクしながら
何の予備知識もなく美術館に行った。
行ってみるとフェルメールの作品は3点しかなかった。
なんでも作品数の少ないフェルメールの絵は門外不出としている美術館もあるらしく
あまり出回らないらしい。3点が来ただけでも凄いことらしい。
昔、僕が見に行った大阪展の時は5点来ていたが
それはフェルメールがオランダの画家で
その時が丁度、日蘭交流400年という記念すべき年だったから
奇跡的に揃ったとのこと。
そんな貴重な出来事だったとは…
あの時もっと一点一点真剣に観ていればよかった。
ターバンの少女以外ほとんど覚えてないのが悔しい…
どうせ、ぼーっとしながらワケも分からんとアホヅラ下げて
鼻水垂らしながらウロウロしとったんやろな…きっと。
バカやわ~。
今回の展覧会の全体的な感想は
フェルメールとその時代に活躍した17世紀のオランダ画家の作品が展示してあったのですが
どの絵も同じ人が描いたのではないかと思うような写実的な作品が多く
個性のある作品があまりなくて面白味に欠ける。でした。
好みの作品も何点かあったのですが、全体としてはそんな印象。
描かれている物の示唆する意味が理解できれば
物語としてもっと深く絵を楽しむことができるのでしょうが
勉強不足の僕には難しかったw
その点フェルメールの作品は他の画家が寓意表現を多用して物語を読み解かせるのに対して
寓意表現をあまり用いず用いても分かりやすいものばかりで余計な物は入れずに
自然な空間を心掛けているように感じた。
これは僕がフェルメールの作品に対して抱いた印象ですが、フェルメールの作品はどれも
自然でワザとらしさがない。
素晴らしいカメラマンがモデルのふとした瞬間の自然な表情を撮るように、
フェルメールは絵画でその瞬間を表現しえている。
人物や空間に他の画家で見られるような硬さや違和感がない。
自然な空間だからスッとその作品の世界に入っていける。
人物の内面に思いを馳せることができる。
17世紀のオランダの日常に流れる静かな時間を追体験しているような感覚になる。
それに加えて美しく品のある色調も素晴らしい。
何故フェルメールがオランダ画家の中でもこれほど人気があるのか分かったような気がした。
僕がフェルメールの三点の作品の中で一番好きだったのは
ポスターにも使われていますが「手紙を読む青衣の女」でした。
他の2点よりドラマ性があって
どんな気持ちでこの女性は手紙を読んでいるのか
想像しながら見ると胸が熱くなった。

