幼稚園のPTAの懇親会で、今日も飲んできた。

 来年も大役が続く消防署員のO君、もうすぐ3人目が生まれる。「いやもう、役職と子育てで破産寸前っす」というが、公務員だからその心配はないだろう。ほかの人に「立会い出産とか、最近多いって。Oさんとこは、どう?」と言われて、「いやいや、仕事で立ち会うこともあるし、プライベートでは勘弁してほしいっす」とのこと。

 消防署員は警察以上に庶民の味方。公共サービスの最前線だ。今にも生まれそうな妊産婦を救急車に乗せて「おさえながら」病院に駆け込むこともまれではないそうだ。

 思いついて、「助産師って、男性には資格取れないの?」「いや、そんなことはないです。署員でも持ってる人いますね」
「そしたらさ・・・子供は救急車の中で生んでもいいんじゃない?」

 つまり。
 都会のまねをして、地方でも自宅で子供を生む習慣はなくなってしまった。だから、本来は病気や特殊事情に対応すべき産婦人科医が、健常の母子でいっぱいになり、結果として収益は悪化し経営は成り立たず、産婦人科をめざそうという人もいなくなったのではないか。
 助産院なるところは、都会でしか成り立たない。産婦人科医の減少で、地方では子供を生む場所がなくなってしまったという。
 しかし、古来子供は、どこででも生まれたのである。

 多少の法改正は必要かもしれないが、専門家の配置など一定の要件を満たせば、救急車内で子供を生むことは、危険でもなければ道徳的に問題のあることでもない。住民の命を守るべき隊員が、生まれてくる子を取り上げられないわけがない。これを、「正式な制度」にすればいいのである。