江戸風 元気のコツ
「養生訓」(貝原益軒著)は、次のような書き出しから始まります。
「人間の体は父母をもとにし、天地を始まりとしたものである。
天地・父母の恵みを受けて生まれ、また養われた自分の体であるから、
自分だけの所有物ではない。
天地からいただいたもの、
父母の残してくださった体であるから、
慎んでよく養って、痛めないようにして、
天寿を長く保つべきである。
これが天地・父母に使える孝の本である」
私たちはともすれば、自分の体は自分一人の所有物であると考えてしまいがちです。
しかしその考えは、自分の体をぞんざいに扱い、健康を害する要因ともなります。
天地・父母から与えられた尊い体であるからこそ大切にする。
それこそが天地、父母への恩返しの根本であり、
健康にも通じる道であることを益軒は説いています。
こうした人生観を持つことが、健康を実現する上でも、極めて重要だと思います。
益軒自身は、江戸時代でありながら、
84歳まで長生きし、83歳の時に書いたのがこの「養生訓」です。
益軒の人生観は、次の一節にもよく表れています。
「およそ人間には三つの楽しみがある。
第一は、道を行って、自分に間違いがなく、善を楽しむことである。
第二に、自分の体に病気がなく気持ちよく楽しむことである。
第三は、長生きしてながく楽しむことである。
富貴であっても、この三つの楽しみがないと、本当の楽しみは無い。
もし心に善を楽しまず、
また養生の道を知らないで、
体に病気が多くて、最後に早死にする人は、
この三楽を得られない」
善行を積むこと、
健康を満喫すること、
長寿を実現すること。
益軒は、この三つこそが人間の真の楽しみであるとし、
この三楽を骨格として養生の心得を説いているのです。
では、具体的にどうするか?
「養生の術は、
まず自分の体を損なうものを遠ざけること。
体を損なうものは、
「肉欲」と「外邪」とである。
「肉欲」と言うのは、
飲食の欲、
好色の欲、
眠りの欲、
しゃべりまくりたい欲と、
喜・怒・憂・思・悲・恐・驚 の七情の欲のこと。
「外邪」とは、天の四気である。
風・寒・暑・湿 のことである。
「内欲」をこらえて少なくし、
「外邪」をおそれて防ぐのである。
こうすれば元気を損なわず、病気にならず天寿を保つだろう」
「内欲」と「外邪」を防ぐことが
健康を支える二本柱であり、
養生の道は、
「内欲」を我慢することが根本だと説いています。
この根本をしっかりやれば、
元気になって「外邪」も侵してこない。
元気でないと「外邪」に負けやすくなり、
大病となって天寿を保てないと言うのです。
「内欲」を我慢する上で大事なことは、
・飲食を適量にして、
飲み過ぎ、食べ過ぎに注意すること。
・腹八分目を心掛ける。
『禍(わざわい)は口より出て、病は口より入る』と言われるように、口から入れるものに気をつける。
・色欲を慎んで精力を惜しみ、寝過ぎない。
・長く座ってないで、体を動かし、気の循環を良くする。
・怒り・悲しみ・憂い・思い を少なくすること。
など、です。
これらが、元気を養う道であると言っています。
皆さん、
さらに、江戸風を取り入れ、
元気でいてくださいね。(^_^)