ハリーとトント(1974年 アメリカ)
監督:ポール・マザースキー
出演: アート・カーニー

ひょんなことから旅をすることになった老人ハリーと、彼の愛猫トントとの旅路をペーソスたっぷりにユーモアを添えて描く。アカデミー賞 主演男優賞受賞作品。
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ニューヨークに住む72歳の老人ハリーは、区画整理のためアパートを追い出されてしまう。郊外に住む長男のバートが一緒に住むよう連れて帰るものの、4人家族の家で子供と部屋をシェアするにはどうも居心地が悪い。ここは長女の住むシカゴに行ってみようかと愛猫トントを連れて旅に出ることになったのだが・・・
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小学生の時から題名だけとおじいさんが猫を抱いている写真は知っていたのですが、何故かタイトルを間違えて記憶していて、「ハリーとトトント」とトをひとつ多くつけていることに気付いたのはずっと後の事でした。
それ以外は何の予備知識もなく観ました。
おじいさんと猫のロードムービーというか、正に珍道中なわけですが、これがなかなか面白かったです。
アパートを追い出されて行く先がなく途方に暮れるのかと思いきや、長男が一緒に住んでくれと、迎いに来る。それでも気兼ねして娘のいるシカゴに旅に出て行くわけですが、引き取りてがいなくてトボトボと、という悲壮感はありません。旅の途中で様々な人と出会い、そして別れを繰り返し、徐々に若さを取り戻す爺さんとそれを見守る猫。まるでTVシリーズを1シーズン観切ったような達成感がありました。アカデミー賞取るほどの名演技だったかというと難しいですが、この爺さんと猫の珍道中に愛着を湧かない人は少ないのではないでしょうか。

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コミットメンツ(1991年 イギリス)
監督:アラン・パーカー
出演:ロバート・アーキンズ

アイルランドの無名なバンドが仲間でいがみ合いながらも成長し売れて行く姿を、鬼才アラン・パーカーが鮮度高く描く。
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アイルランドの首都ダブリン。ジミーの夢は一流のミュージシャンをプロデュースすること。自らマネージャーとなって、友人のミュージシャンと本格的なソウルミュージックのバンドを立ち上げようと募集をかける。が、集まってくるのは、ソウルのソの字も知らない連中ばかり。それでも何とか形になるよう頭数が揃い始めるが・・・
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アラン・パーカー監督も大好きです。一番好きなのはマイベスト4のバーディですが、ミッドナイト・エキスプレス、エンジェル・ハート等の問題作や、今作のような音楽モノも撮ってますね。この映画の他にフェーム、ピンクフロイドのザ・ウォール等。おそらく、一番最初に好きになった監督さんだと思います。結構、その時代の空気を鮮度良く切り取るのが上手なんですね。で、今観てもやっぱり面白い。
コミットメンツは公開当時観てはいませんでしたが、結構音楽が凄いって、話題になっていたのは覚えていて、DVDをなんとなく買っていたのを今回消化しました。今回はソウルミュージックが題材で、もちろん音楽自体とても楽しみましたが、それにも増してアイルランドの下町の息づかいなんかは肌にヒリヒリと伝わるくらい上手に切り取っていました。汚くて、どうしようもない行き詰まったような町で、それでも夢見ることを忘れない、もしくは現実逃避のために吸い寄せられるかのように集まってできたバンドが、団結したり、いがみ合いながら、徐々に売れていく様を、現実的に、しかし暖かい眼差しで描いています。

・・・しかーし! ダウンタウン物語が観れてないんですよねぇ!
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ペントハウス(2011年 アメリカ)
監督:ブレット・ラトナー
出演:ベン・スティラー、エディ・マーフィー、マシュー・ブロデリック

超高級マンションのペントハウスに住む富豪と、彼に騙されたマンションの従業員との攻防を描く。
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マンハッタンの一等地にそびえ建つ65階建ての超高級マンション「ザ・タワー」。ジョシュは、その管理マネージャーとして一流のスタッフを率いていた。ある日、ペントハウスに住む大富豪のアーサーが、証券詐欺で逮捕されてしまう。ジョシュはアーサーにスタッフの年金の運用を託しており、皆のなけなしのお金まで横領されてしまっていた。なんとかそのお金を取り返すべく、計画を練るジョシュだったが・・・・
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面白い設定も無理が過ぎると波長が合わなくなりますね。でもまぁ、小気味のいいコメディだったのではないでしょうか。マシュー・ブロデリックを久しぶりに観れて嬉しかったですが、もっと活躍できる俳優さんだと思うのですが、難しいですかね。エディ・マーフィーも元気そうでなによりでした。私は変わらないなぁと思いましたが、妻は老けたなぁと、印象が違っていて面白かったです。しかし、アーサー役のアラン・アルダ、この記事をアップする寸前までテレンス・スタンプと思い込んでいました。写真をよく見ると確かにアラン・アルダですな・・・・。
で、映画は面白かったのか、痛快だったのか、というとインパクト弱いかなぁ。

上がアルダで、下がスタンプ。並べると似てないし、目の厳しさが違うね。失礼しました!
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勝手にしやがれ(1959年 フランス)
監督:ジャン・リュック・ゴダール
出演:ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ

一人のチンピラとアメリカ娘との恋の行方を描く。フランス、ヌーベルヴァーグの記念碑的一本。
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ミッシェルは、パリの街にうろつくチンピラ。今日も盗んだ車で郊外を走っていると、追いかけてきた白バイの警官を撃ち殺してしまう。パリに戻ったミッシェルは、気になるアメリカ娘のパトリシアとイタリアに逃亡しようと考えていたが・・・・
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妻がゴタールを一本も観たことがない、ということに気付いたので鑑賞。 昔観た時よりも観る側に余裕があるのかとても楽しめました。
いつものようにストーリーを書きましたが、とても違和感がありますね。結局、話じゃないんですよね、この映画は。ストーリーなんか大した話じゃなくて、そこにある鮮度とセンスを味わうものですね。今観ても古臭さを感じない小刻みな溢れるようなカット、活き活きとした登場人物たち。やはり主人公の二人の個性が効いています。特に車の後部座席から撮ったジーン・セバーグの可愛らしいうなじが素敵でした。
55年も前の映画ですが、当時はかなりぶっ飛んでいたことでしょうね。こういう映画を観てると、映画撮りたいなぁ、という気持ちが湧いてきます。やはり定期的に観て、映画に対する思いを刺激しないといけませんね!
それにしてもこの邦題、センス素晴らし過ぎます。原題の「息切れ」を「勝手にしやがれ」ですもんね。
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ゴダールに関しては、ゴダールのDVD集を手に入れているものの、あまり観てません。確か初体験は「パッション」を中学生の時に映画館で観て、一体何が何だかわからないまま終わったのを覚えてます。少しづつ観直していかないといけませんね。
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フェイシズ(1968年 アメリカ)
監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ

ある一組の夫婦の3日間をジョン・カサヴェテスがリアルに描く。ハリウッドの映画製作に嫌気をさしたサヴェテスが自宅を抵当に入れて創り上げた独立資本作品。アカデミー賞3部門にノミネートされた。(助演男優、助演女優、脚本)
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ある娼婦の家にいる二人の男が言い争いを始める。その内の一人の男、リチャードは彼女に惚れて込んでいるようで、妻に離婚を告げるつもりで家に帰るのだが・・・・
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うーん、大人な映画でしたね。いつも思うのは、大人な映画の登場人物はわがままで子供っぽいんですね。それは観ている我々とて同じで、そこをどう描くか、そこからどう描くかが、大人な映画とそうでないものの分かれ道ですね。で、それを大人でないと理解できない、大人が納得できるような、できなくても楽しめるような、子供騙しでない映画ですかね。人それぞれだと思いますが、そんな気がしてます。

今回、フェイシズというだけに登場人物が、いろんな思いからいろんな表情を見せます。各シーン毎にどう展開するのわからない緊張感があり、本当に会話一つで物別れに終わったり、笑い出したりと、見ていてドキドキするとともに、実生活でのそういう危うさをうまく描いてるなぁ、と思いました。息子のニック・カサヴェテス監督のシーズ・ソー・ラブリーでも、そういう緊張感があって良かったな、と思い出しました。そういう空間をうまく創り上げたカサヴェテスの手腕はやはり素晴らしいですね。
映画はカサヴェテスが私財を投げ売って制作費に回したらしいですが、いい映画だと思いますが、決して回収できるような類の映画ではないですよね。思うに、大人が納得できる映画がないならば、作ってしまえ、という感じでしょうか。最近トントそういう映画が少ないですが、それはドラマでもサスペンスでも、SFでもそう言えますね。大人が楽しめる映画に仕上がっているのではないでしょうか。
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