アラバマ物語/TO KILL A MOCKINGBARD(1962年 アメリカ)
監督:ロバート・マリガン
出演:グレゴリー・ペック

人種差別が根付くアラバマ州のある町で、黒人男性の弁護を任された弁護士と彼の家族を描く。アカデミー賞主演男優賞受賞作品。
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【ストーリー】
妻を病いで失い、男手一人で二人の子供育てる弁護士のフィンチ。そんな彼の元に、白人女性を暴行した容疑で裁判にかけられた黒人男性トムの弁護の依頼がくる。トムの無実を証明するため、その仕事を引き受けたフィンチだが、人種差別が根付く町では皆の反応は冷たく、身に危険を感じる程であった・・・
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【感想】
大事に大事にとって置いた一本。最近、ドンとした映画を観れてないので、ここいらで名作を観ねばと選びました。映画のベスト10、ドラマ部門や、ヒーロー部門等で必ず上位に現れるのがこの映画ですね。
グレゴリー・ペック扮する主人公のように、僕はこんなに立派な社会人、父親にも成れませんが、しかし彼自身は、只々職務を全うしているだけだと思って間違いないと思うわけです。特別な正義感ではなく、正しい正義感といいましょうか。たとえ世論や、大勢が違った流れだとしても、冷静に正しいことを判断し実行する力。その際の基本として彼は自分の子供にこう説明します。「自分がそうしないとお前に説教できなくなる」と。本当にそう思いますね。それが全てかと思います。12人の怒れる男もそうですが、圧倒的な力で正義を貫くというよりも、冷静に事実から判断する、というところに正義が存在するのでしょうね。いろんな映画があるのは理解していますが、こういう正しい映画が過去にしっかり作られているのにも関わらず、こういう映画の系統がきちんと受け継がれず、バカバカ人を殺すようなヒーローが沢山いるところに違和感があります。もちろん今もこの映画を観ればいいわけですが、やはり時代時代にあった焼き回しで次世代に伝えていくべきなのかと思います。
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映画はこの裁判の行方と並行して、フィンチの子供達の生活が描かれています。子供の目線から見た父親像と、その町にある謎の家の秘密を探るような冒険話が親近感の湧く一本に仕上げています。私もダメ父親ですが、こういう映画を観ると、父親として、社会人としてきちんと成長しないといけないなぁ、と改めて思い知らされます。