舟を編む(2013年 日本)
監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、小林薫、加藤剛

2012年本屋大賞で1位を獲得した三浦しをんの同名ベストセラー小説を映画化。辞書編集部に配属された真面目で不器用な主人公の直向きな仕事ぶりと、彼の周りの個性的な人々との人間模様を描く。日本アカデミー賞 作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、録音賞、新人俳優賞受賞。 
{421AD3B5-42DE-4020-B30E-27F99AA810D6:01}
【ストーリー】
玄武書房の営業部に勤める馬締は、その名の通り真面目過ぎる性格から周りから浮いた存在だった。一方、辞書編集部では定年間近のベテラン編集者荒木が自分の後を継げる人物を探していたが、その地味な仕事内容から皆に敬遠されていた。そんな二人が出会うべくして出会い、馬締は早速、辞書編集部に異動となる。そこで辞書の世界の奥深さに触れ、辞書作りに没頭して行く馬締だったが・・・
{9F2D9827-23F8-4DC5-9CB1-50A048488E15:01}
【感想】
これはなかなか良かったです。ひどく真面目な主人公、その名も馬締が、気の遠くなるような年月と情熱をかけて辞書を作るわけですが、人とのコミュニケーションを上手くとれずに悪戦苦闘する前半と、仕事に対して真摯に向き合うことで試練を乗り越えて行く後半とが、気持ちいいくらい地味に描かれています。所々腑に落ちない点もあるにはありますが、映画故の時間的制約による種々選択の結果かと思います。気になる点は原作を読んでカバーしようかな、というくらいこの映画の真面目さに付き合う優しい気持ちになってしまいます。

僕も社会人として手を抜かずに仕事に真摯に取り組みたい気持ちはありますが、これも時間的制約で省略することがよくあります。ちょっと背筋を伸ばしたくなる気持ちにさせていただきました。最近、洋画で良いものに出会っていない気がしますが、邦画の方が真面目に取り組んでいる感じがしました。

松田龍平の映画は初めて観ました。松田優作のファンとしては息子さんたちの活動が気にはなるわけですが、今作観ている限りでは、何の心配も必要ない感じがしました。いい役者さんではないでしょうか。加藤剛もお年を召されましたが、やはり素敵ですね。
{1CA08D2F-9ACB-49DD-94CF-36D487E6635D:01}