ゼロ・グラビティ(2013年 アメリカ)
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニ

宇宙飛行士に突然襲いかかったアクシデント。無重力の世界での究極のサバイバルを描く。
photo:01


宇宙船の外で修理作業をしている中、ロシアが自国の衛星を爆破した情報が入る。それ自体は悪意のない行為だったが、その破片が軌道に乗ってクルーに襲いかかる。惨事の中、宇宙空間に投げ出されたストーン博士は、絶体絶命の恐怖の中で慌てるばかりだった。
photo:02


2013年のラストに選びました。
原題はグラビティ=重力で、邦題はゼロ・グラビティで=無重力。ゼロを着けて客を引くか、ゼロはなしで納得感を得るか、どちらがいいのでしょうかね。作り手はその邦題で文句はなかったのでしょうか、知ったこっちゃないんでしょうか?
また、これはSF映画なのかな? 少なくとも未来映画じゃないですね。シュミレーション・サスペンスかな?一般的にそう簡単に宇宙飛行士にはなれないので、誰の身にも起こる心配はありませんが、現実にそこで起こりえる状況を忠実(なんだろうと思う)に映像化しているので、SFというよりサスペンスの趣きがあるような気がします。
密室とは正反対の状況なのに、妙に圧迫感のある永遠に彷徨う果てのない恐怖の中で展開して行くサバイバル。とにかく孤独感が半端ないですね。

宇宙人に襲われることも、ロボットが反乱することもない現実の中での一層の孤独感。とてもドキドキしますし、息苦しくもなります。観終わった時、ドドっと疲れましたが、そういう映像体験をすることもあまりないので、とても楽しめました。昔の映画は、こういう映像体験を皆に観せて驚かせたり、感心させたりしていたと思うと、映画本来の目的を持っているような気がします。できるだけ大きな画面で観るべき映画ですね。
photo:03


但し、宇宙への憧れを通り越して、地球への帰還に満足を得ているといけませんね。最近の若者があまり海外に飛び出さないように、未知への憧れ、宇宙への憧れを現実的な恐怖で失くすことはある意味罪かなと、それくらい臨場感のある映像でした。




ポチッと押してやってください。