フェイシズ(1968年 アメリカ)
監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ

ある一組の夫婦の3日間をジョン・カサヴェテスがリアルに描く。ハリウッドの映画製作に嫌気をさしたサヴェテスが自宅を抵当に入れて創り上げた独立資本作品。アカデミー賞3部門にノミネートされた。(助演男優、助演女優、脚本)
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ある娼婦の家にいる二人の男が言い争いを始める。その内の一人の男、リチャードは彼女に惚れて込んでいるようで、妻に離婚を告げるつもりで家に帰るのだが・・・・
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うーん、大人な映画でしたね。いつも思うのは、大人な映画の登場人物はわがままで子供っぽいんですね。それは観ている我々とて同じで、そこをどう描くか、そこからどう描くかが、大人な映画とそうでないものの分かれ道ですね。で、それを大人でないと理解できない、大人が納得できるような、できなくても楽しめるような、子供騙しでない映画ですかね。人それぞれだと思いますが、そんな気がしてます。

今回、フェイシズというだけに登場人物が、いろんな思いからいろんな表情を見せます。各シーン毎にどう展開するのわからない緊張感があり、本当に会話一つで物別れに終わったり、笑い出したりと、見ていてドキドキするとともに、実生活でのそういう危うさをうまく描いてるなぁ、と思いました。息子のニック・カサヴェテス監督のシーズ・ソー・ラブリーでも、そういう緊張感があって良かったな、と思い出しました。そういう空間をうまく創り上げたカサヴェテスの手腕はやはり素晴らしいですね。
映画はカサヴェテスが私財を投げ売って制作費に回したらしいですが、いい映画だと思いますが、決して回収できるような類の映画ではないですよね。思うに、大人が納得できる映画がないならば、作ってしまえ、という感じでしょうか。最近トントそういう映画が少ないですが、それはドラマでもサスペンスでも、SFでもそう言えますね。大人が楽しめる映画に仕上がっているのではないでしょうか。
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