第9地区(2009年 アメリカ/ニュージーランド)
監督:ニール・ブロンカンプ
出演:シャールト・コプリー

南アフリカ出身 ニール・ブロンカンプ監督がピータージャクソンの全面バックアップで撮ったSF映画。
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南アフリカに突如現れた飛行物体。空中に止まったままいつまでも動かない宇宙船の中にいたエイリアンは難民状態で南アフリカに住み着く。それから20数年、難民キャンプはスラム化し、地域住民との問題から新たな難民キャンプへ強制移住させることを決定、移送プロジェクトの責任者ヴィカスはエイリアンに立ち退きの許可を得るため難民キャンプ第9地区に侵入するのだが・・・
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HDDのチェックがてら、この映画を写していると息子が横で見ていて、閉じようとすると「観たい」と言い出したので仕方なく上映会。面白いので最後まで目が離せないのですが、暴力的な描写は、彼には早すぎて、わたしは歳を取りすぎて、ちょっとNGでした。二人で「うわぁ~」とかいいながら観てました。が、でもでもこの映画はやっぱり引き込み具合がいいのでついつい感心して観てしまいますね。人種差別の問題を提議しつつも、ドキュメンタリータッチな導入部からスーパーSFアニメ的な展開と飽きさせません。ほら吹き男爵のような誠しやかな虚構がスピードを緩めず進んで行きます。それでいいと思います。ディテールも凝っているけど、それよりもスピード感を大事にすることでパワーを落とさない。最近のアメリカ映画ではそこに辻褄を求めたがりますがこの映画はそこで媚びずに勢いで持っていく力があっていいですね。
以前の記事にも書きましたが、アヴォリアッツ映画祭がまだあったら間違いなくグランプリですね。この映画祭の最終のグランプリが、この映画の製作者でもあるピーター・ジャクソン監督の「ブレインデッド」。そういう系統が受け継がれているのを実感できるのもひとつの楽しみですね。
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