パラノイドパーク(2007年 アメリカ、フランス)
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ケイブ・ネヴァンス

「エレファント」のガス・ヴァン・サントが描く、事件を起こした少年の心象風景を切り取った青春映画。
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16歳のアレックスは何処にでもいるスケートボードに夢中の高校生。ある日、友人に誘われスケートボーダー憧れの公園“パラノイドパーク”に訪れ、すっかり魅了されてしまう。何度か訪れているうちに不良グループに貨物列車に飛び乗る度胸試しに誘われるが、その最中、誤って警備員を死なせてしまう。アレックスと事件を結びつける証拠はなく、通常の生活を送ろうとしていたが、ある日、高校に刑事が訪れ、スケートボーダーを中心に事情調査を始めるのだった・・・
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映画は終始不安定さをだしたまま、宙に浮いた感じで、まるでうなされた夢を見ているかのような映画でした。
エレファントに比べるとストーリー感がもっとあるのかと思いましたが、この浮遊感がそうは感じさせてくれませんでした。この感じが飲み込めないか、否かで好き嫌いが分かれるかもしれませんが、自分が冒した過ちを忘れたい一心で、熱が出て、それが現実だったのかもわからなくなってしまった少年の不安定な気持ちがすごく伝わってきました。
観終わって、ひょっとしたら自分も過去に何か大変な過ちを冒してしまったのに、自分でも忘れようと熱にうなされ、現実と夢の境目を失ってしまったのかもしれないというような不安感に襲われました。好き嫌いの分かれるガス・ヴァン・サントですが、今回は更に好き嫌いが分かれそう。
うーん、でも僕は好きな監督さんだなぁ、やっぱり。
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