127時間(2010年 アメリカ/イギリス)
監督:ダニー・ボイル
出演:ジェームズ・フランコ

「トレイン・スポッティング」「スラムドッグ・ミリオネア」のダニー・ボイル監督が、誰も寄りつかない大自然の渓谷で岩に右手を挟まれ、身動きが取れなくなった青年登山家アーロンの実話を映画化。
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冒険家のアーロンはいつものように週末一人でロッククライミングを楽しむため、ブルー・ジョン・キャニオンに向かった。子供の頃から自分の庭のように慣れ親しんだ場所で大自然を満喫するアーロンだが、ふとしたアクシデントで大きな岩に右腕を挟まれてしまう。誰も寄りつかない渓谷、行き先を誰にも告げなかった事実、手元にある必要最小限の荷物、水と食料、絶体絶命の状況で、何とか脱出する方法を模索するのだった。
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題材が題材なので基本的にジェームズ・フランコの一人芝居をベースに様々な回想シーンや妄想シーンを挟みながら物語は進んで行きます。この辺りの表現はダニー・ボイルの真骨頂だと思います。今までの彼の作品ではその表現が過度になり過ぎる傾向があり、ちょっとお腹いっぱい感があったのですが、この映画は良かったです。また、ジェームズ・フランコの愛着の湧く表情もとても印象的で映画をより親密なものにしてくれています。
自分の運命を、人生を、周りの者への愛や、今までの失態や、恋い焦がれるものを思い出し、生きることを諦めない気持ちを持ち続けること、一人で生きてきたことが、実は生かし、生かされていることに気付くというのがこの映画のテーマで、前作のアカデミー受賞作より私的には好みでした。

「デカケルトキハ、ワスレズニ!」

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