続・激突!/カージャック(1974年 アメリカ)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ゴールディ・ホーン

昔から観たかったのに観れていなかった映画の一本。TVドラマ「激突」で一躍有名になったスピルバーグが撮った劇場映画1作目。
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自身も出所したばかりのルー・ジーンと、刑務所に服役中の夫クローヴィス。ルー・ジーンは裁判所の命令で子供の養育権を取り上げられてしまうが、何とか息子を取り戻そうと、服役中の夫を脱獄させ、成り行きでパトカーを警官ごと奪うと、子供が保護されているシュガーランドを目指す。パトカーを奪われた警察は群れを成して後を追いかけるものの、凶悪犯でもない二人と人質の警官の間に奇妙な友情が芽生え始める。事件が明るみになると何故か二人を応援する野次馬が現れ、パトカーの群れの後ろに更に群れを成し、シュガーランドへの行列が生まれるのだった。
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実話をもとに、奇行に走った夫婦と二人を取り巻く警官、野次馬たちをスピルバーグが温かい眼差しで描いた佳作。「続激突」とあるものの、全く前作の「激突」とは関係ありませんが、すでに監督としての手腕を期待されてプロモートされているところが、すごいですね。そしてそういう期待を理解した上で製作会社も観客も納得する作品を作り上げているスピルバーグが本当に素晴らしいです。
また、これが実話というところがいかにもアメリカらしく、馬鹿馬鹿しいのに懐の深さを感じてしまいます。ゴールディ・ホーンでないと、愛らしい犯罪者にはなり得なかったでしょうね。期待通りで楽しめました。
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