シーズ・ソー・ラブリー (1997年 アメリカ)

監督:ニック・カサヴェテス


ジョン・カサヴェテスが遺した脚本を息子のニック・カサヴェテスが映画化した作品。


破天荒なカップル、エディとモーリーン。貧乏でヤサぐれた無茶苦茶な生活の中で、少しずつ精神に異常をきたしていくエディと、妊娠したモーリーン。

そんなある日、モーリーンが酔った勢いで隣のおっさんにレイプされ、切れたエディは街中で暴れ、取り押さえられて10年間精神病院に隔離されることに。

・・・10年後、すっかり過去を捨て、裕福な家の主婦に納まったモーリーンの前に精神病院から退院したエディが現れるが・・・


この二人の破天荒なカップルがとても素敵です。

妊娠しているのにタバコをプカプカふかしながら、文句をいうモーリーンやダンスをしたいのにお金がないから、ダンスホールのもぎりにお金をせびるエディ。そして本当に楽しそうに踊る二人。

素敵なシーンがたくさんあります。


理屈では通用しない完璧な愛を、不条理だろうがお構いなしで突き進む二人が、とても愛おしい。

この二人の生き様を理解できない人も多いと思います。現実には、会社や子供など、社会に影響され、いろんなものを犠牲にしてまでも、こういう破滅的な生活を送るのは無理なのですが、本当に愛し合う人同士が共に暮らしていくというのは素敵なことですね。

もちろん主演の二人(ショーン・ペンとロビン・ライト・ペン)が魅力的なのですが、ニック・カサヴェテスの演出がいいのだと思います。「君に読む物語」なんかも人気がありますが、このシーズ・ソー・ラブリーや、ミルドレッドなんかのテーマをしぼって欲張らない演出がお父さんゆずりでしょうか、お気に入りの監督さんの一人です。


とにかく大好きな一本です。(ベスト10に入れたいくらい・・・・)

でも、決して万人受けする映画ではないので、特にお勧めはしておりません(笑
ブルース・リーではありませんが、考えてもダメです、感じないとっ!


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