長引く風邪 (気虚感冒・陰虚感冒) | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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 漢方薬局で30年以上相談をしています。
毎日新しい発見あり、毎日が勉強です。
お客様の相談を中心に記録していきたいとかんがえています。

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎)・不妊症相談・精神疾患など
のご相談を得意としています。

 

  「漢方では風邪は一包で治すんです。」

などと言ってはいますが、そんな簡単なもの

ではないです。

 

 それでも、1週間、長いと2週間と病院へ通い

それでもよくならず当店に相談に訪れる方が

多くいます。

 

 なぜ風邪がそんなに長引くのか、一つ言える

ことは、もともと内傷(気虚・陽虚・陰虚)をもって

いる人が風邪をひいた場合簡単ではないです。

 

 さらに教科書に書いてあるように、型にはまった

ような方はすくないです。

 

 またお客様にいろいろ質問すると面倒がられます。

 

 弁証する為の材料を確認しにくいです。

 

 そんな中やはり、長引く風邪で一番多いのは

「参蘇飲」が合う気虚の方の風邪ではないでしょうか

 

 まず長い期間抗生物質が出され脾虚がさらに

進んでいる場合が多いです。

 

 このタイプの方は抗生物質が苦手で胃腸薬など

がいっしょに出されている場合がおおいです。

 

 参蘇飲は香砂六君子湯減砂仁

に紫蘇葉・生姜は散寒解表、前胡・葛根は

風熱に対し辛涼解表、風寒・風熱のどちらにも

対応します。

 

 桔梗と枳実の組合せで肺の宣散粛降を上げ

半夏・茯苓・陳皮は気虚による痰飲を除きます。

 

 陳皮・木香は理気和中で痰飲による気滞に

有効です。

 

 症状はひどくないが、風邪の症状がなかなか

ぬけない、肺の脹満感がいつまでも残るような

場合の第一選択ではないでしょうか。

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 元来、陰液が少なく陰虚の人がひく風邪。

 

 津液が少ないため、発汗させて解表という

方法はとれません。

 

 風熱(燥)邪が入りやすい。

 

 「証候」:身熱・微悪風感・少汗・頭昏・心煩

口乾・乾咳少痰・舌紅少苔

 

 「治法」:補陰解表

 

 「代表方剤」:加減葳蕤(玉竹)湯

 

運動過多、慢性の下痢症などの人

又職場環境が暖房の効かせすぎなど、いろいろ

 

 ありますが、やはり簡単にはいかないでしょう。

 

 西洋医学などでは「津液」の有無などまず問題に

しません。

 

 滋陰と同時に解表するなどという考えは

中医学独特ですね。

 

 胸苦しい・咳嗽・粘調な痰のどがやはりなかなか

とれません。

 

 加減葳蕤(玉竹)湯は日本にはありません。

やはり日本にある製剤を組み合わせ対処します。

 

  幸運なことに玉竹・沙参・百合をあわせたサプリ

があります。それに葱豉湯(葱白・淡豆豉)・薄荷・

桔梗もなんとかなりそうです。

 

 やや近い処方はできそうです。

 

 このタイプもわりと多いですし、西洋医学の

対応が難しいところです。