便秘というと熱の便秘ばかりに集中して
しまいますが、冷秘といって腸が冷えて
便秘になることもあります。
寒凝積滞は便秘・腹満・腹痛・温暖を好む
手足の冷え・脈沈遅などの症状が主なもの
です。
大量の辛熱薬が使用されているため大黄の
寒性もうちけされます。「去性取陽」といわれて
います。
大黄附子湯
大黄:積滞除去
附子:温裏散寒・助陽
細辛:温経散寒・止痛
附子・細辛は麻黄附子細辛湯の3倍、大黄の
寒性を打ち消すため。
「脇下偏痛し、発熱し、その脈緊弦、これ寒なり
温薬をもってこれを下せ、大黄附子湯によろし」
強い手足の冷えと腹痛を伴う便秘に使用します。
脇下偏痛:西洋医学的には右ならば肝胆、左ならば
膵臓、脾臓などの疾患が疑われる。
発熱:陽気不行→営衛不和→発熱
脈緊弦:寒実内結の脈
温脾湯
大黄・附子・乾姜・人参・炙甘草
大黄附子湯去細辛加乾姜・人参・甘草
脾陽不足→運化失調→寒凝積滞
となったもの。
便秘または慢性の下痢、腹痛、手足の冷え
倦怠感、食欲不振、舌質淡胖、舌苔白滑
温暖により軽減する。
温脾湯は温補脾陽に、大黄附子湯は攻下寒積
に重点があります。
両処方とも加減され慢性腎炎(主に主薬の大黄)
に効果があるといわれ日本のメーカーも臨床実験
を実施しているようです。