「肝陽上亢」:肝腎陰虚によって陰が陽を抑制
できず、肝陽が亢進して出現する。
めまい・耳鳴り・不眠・など。
腎陰は諸陰の本であり、特に心・肝・肺との
関係が密接。
腎陰が虚損すると、常に心・肝・肺の陰虚を生じる。
「治療原則」:熄風清肝・滋陰清肝
「代表方剤」:天麻鈎藤飲
天麻・鈎藤鈎・石決明:平肝熄風
山梔子・黄芩:清肝瀉火 牛膝:活血下行
益母草:活血利水(内熱の出路をひらく)
杜仲・桑寄生・牛膝:滋陰柔肝
夜交藤・茯神:安神寧神
腎陰の状態が進んでいる場合、治療に時間が
かかります。
「肝火上炎」:肝胆鬱熱の実症に属し、肝気鬱結
気鬱化火することによる。
気火が頭面部に上炎するため、明らか
な熱象があらわれる。激しい頭痛・面紅
・目赤口乾・両耳の暴鳴・脈象弦滑・
舌質紅・ここでの特徴は一般に陰血の
不足の症状はみられない。
「治療原則」:清肝瀉火 「代表方剤」:竜胆瀉肝湯
めまいでは、前者も後者も益陰潜陽の牡蠣、
平肝熄風の鈎藤鈎・石決明・白蒺藜などは
よく加減して使用されます。