第三 宣表化湿
湿温初期
「長夏初秋は、湿中に熱生ず、即ち暑病の湿に偏するものなり」
「太陰内に傷れ、湿飲停聚し、客邪さらに至り、内外相い引く、
故に湿熱を病む」
内湿素体(脾虚)の人が、湿熱の邪に上焦を侵襲された状態。
「臨床証候」:湿邪が衛陽を鬱阻して悪寒・気血運行不利に
よる頭重・湿邪による身体の重だるさ・倦怠感
「身体不暢」:体内に強い熱感があるが体表部に
熱感がない。口不喝・舌苔膩・脈濡
悪寒が強く傷寒に間違えやすい。
「代表方剤」:藿朴夏苓湯
藿香・淡豆豉・赤茯苓・猪苓・沢瀉・半夏
厚朴・白豆仁・薏苡仁・杏仁
三仁湯の滑石・通草・竹葉の代わりに赤茯苓・猪苓・沢瀉
にして透表散邪の力を強く、清熱の力が弱くなっている。
第四 疏表(透表)潤燥
外感温燥の邪気が肺の津液を損傷した状態。
「臨床表現」:発熱(それほど高くない)、微悪風悪寒、頭痛
嗆咳(喉に刺激のある咳)、咽乾、鼻乾、口渇
痰少粘(血を帯びることもある)、右脈数大
「治療」:清宣涼解
「代表方剤」:桑杏湯(温病条弁)
桑葉・豆豉:清宣透熱 杏仁:降気肺気潤燥止咳
沙参・梨皮:清養生津
象貝(浙貝母):寒涼潤肺・化痰