湿温 湿重于熱証治 | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

 漢方薬局で30年以上相談をしています。
毎日新しい発見あり、毎日が勉強です。
お客様の相談を中心に記録していきたいとかんがえています。

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎)・不妊症相談・精神疾患など
のご相談を得意としています。

 

 湿重于熱証(湿が熱より重い証」

この証の初期は湿熱の邪が衛気を遏(とど)

めるので熱不揚(発熱はあるが体表の熱感は

軽い)、


身体が重だるい、四肢の倦怠感、胸悶、腔痞、

舌苔膩、脈緩等の証候が出現する。体質的には

脾虚のひとが多い。


 邪遏(あつ)衛気

「頭痛み悪寒し、身重く疼痛し、舌白く喝せず

脈弦細にして濡、色淡黄、胸門し飢えず、

午後身熱し、状陰虚の若く、病速かに

已え難きは、名づけて湿温という。


之を汗すれば則ち神昏(くら)み

耳聾し、甚だしければ則ち目暝(つむ)りて言うを

欲せず。


之を下せば則ち洞泄す。之を潤せば則ち病深まりて

解せず。

長夏、深秋、冬日は法を同じくす。三仁湯之を主る


 湿が衛分に鬱滞し、同時に湿が脾胃の気機を遏(とど)める。


 化熱が明らかでない場合藿朴夏苓湯

化熱が明らかな場合三仁湯


 三仁湯

「組成」:杏仁・滑石・通草・白蔲仁・竹葉・厚朴・生薏仁・半夏


杏仁・竹葉:宣透

白蔲仁・厚朴・半夏:辛開苦降

生薏仁・滑石・通草・淡滲利湿


 三仁湯は竹葉・滑石の作用で泄熱の作用が強く

藿朴夏苓湯は藿香・豆鼓の作用で透泄の作用が強い。


 日本ではこの有名な方剤がありません。

藿香正気散を利用していくしかないようです。

藿香正気散は外寒風寒に対する薬剤なのですが、化湿和中に重点が

あります。中焦篇 湿温に藿香正気散の加減方が五つでてきます。