桂枝加芍薬湯と小建中湯の違いは何かを説明して
いませんでした。
桂枝湯の芍薬を倍量にして大量の膠飴を加えたのが
小建中湯でした。
桂枝加芍薬湯はもともと脾虚の人が太陰経脈の経脈に
邪を受け、それに対して肝気が横逆して、気血の失調にいたった
状態です。
芍薬を増量することにより、目的を裏に向けています。
「気」の不利によって「満」、「血」の不利によって「痛」
つまり気血不和による腹満疼痛です。営の陰陽不和とも
いえます。
桂枝加芍薬湯で経脈を疎通し、和裏緩急します。
桂枝加大黄湯は桂枝加芍薬湯に大黄を加えたもの
ですが、経脈の気血阻滞によって血瘀となり大実痛となります。
その為活血化瘀の目的で大黄が入っています。
小建中湯は桂枝加芍薬湯に大量の膠飴をいれ膠飴が主薬となり
表の営衛不和証と裏の陰陽両虚証の双方に適応します。
疲れが強い場合は「黄耆」を加え黄耆建中湯
血虚がある時は当帰を加え当帰建中湯
疲れ、血虚両方を補いたい時は帰耆建中湯と
すべてよく使われる処方です。