日本で繁用されている「小青龍湯」を考えてみました。 | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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秋の気配を感じる季節を迎えると咳の症状を訴える

方が増えてきます。


 我が家の地方では、乾燥(風燥傷肺)に関するものが多い

のですが、なぜか小青龍湯を薦められている人の比率が

高いのでこれでいいのか疑問に思っていたところです。 


日本で小青龍湯が頻繁に使用されるのもそれなりの

理由はあると思いますが、よりよく効かせるために

考えてみようと思います。


 理由はなんていっても「寒飲食」→「肺寒

肺の手太陰の脈は中焦(脾胃)から起こり、・・・上膈で肺に属す」

この結果「水寒の気」が上逆して肺を阻む


 「傷寒表解せず、心下に水気ありて、乾嘔、発熱して欬(せき)し、

或いは渇し、或いは利し、或いは噎(いつ)し、或いは小便利せず、

小腹満し、或いは喘するものは、小青龍湯之を主る。」


 「心下に水気ありて」が「肺の宣発粛降失調」となり

心下に水気ありてに続く症状をひきおこしています 


 表解せず:表の症状がない人もいます。

噎:のどがつかえる

また加減方で「若喘、去麻黄、加杏仁」というものが

あります。喘:あえぎ息が苦しい 


 小青龍湯の加減方は麻黄を除いているもののほうが多い

のが現実です。どうしても麻黄を使用するときは

  

 さらに煎じる時「先煮麻黄、・・・去上沫」というところが

あります。麻黄の副作用を考えると非常に大事なところですが

エキスを出しているメーカーでここまで手を加えているのでしょうか

麻黄の副作用:動悸・頻脈・心煩・めまいなど


 煎じ薬ならばそのまま、去麻黄、加杏仁でいいのですが

エキスを使用するなら、苓甘姜味辛夏仁湯というのがあります。


 これには桂枝湯の構成成分の桂枝・芍薬が入っていません。

苓甘姜味辛夏仁湯合桂枝湯去麻黄、加杏仁になります。


 桂枝湯の桂枝・芍薬の薬対は陰陽を調和させるのにぜひとも

必要だと考えています。


 ぜひコメントをお待ちしています。