親から「勉強しなさい」と言われたことがありません。
成績がいい子に割と多く見られます。
大人になってからも、この人は勉強がよくできる、もしくはよくできたんだろうな、と思う人は、子供時代に「勉強しなさい」と言われたことがない、という人が割と多いような気がします。
そういう例を見て、多くの人々は、「そりゃ、もともと勉強するんだから、親や先生も『勉強しなさい』という必要がなかったんだよ」と言います。
まあ、そういう点もあるかもしれませんが、私は何か違うと思っています。
逆に、親や先生から「勉強」「勉強」としょっ中言われている人でいい成績をとっている子供をほとんど見たことがありません。特に中学生以降は全くありません。
これも、多くの人々は「成績が悪いから周囲が勉強しろ、しろというんだよ」と言います。
私はこれにも納得がいきません。
ある生徒は「塾は嫌じゃないけど、勉強が嫌やねん」と言っていました。
大人がわかっておかなければいけないのは、多くの子供は勉強は嫌いだけれども、「勉強しなくていい」とは思っていない、ということです。
だから塾に来るのです。
さらに、「勉強しなさい」と言われることが少なければ少ないほど、子供は勉強嫌いにはならず、自分で勉強していくものだと思うのです。つまり周りの大人がほったらかしにすればするほど、どんどん勉強していく、今は勉強しないけれども時期が来れば勉強に目覚める。
いや、もっと正確に言うと、本当に「ほったらかし」にするのではなく、全面的に子供や生徒を信頼する。そして何も言わない、いつか成長のどこかの段階で気づいてやってくれるやろう、とただ見守る。
遊び呆けている目の前の子供には、つい何か言いたくなる気持ちもわかります(塾の先生なんかしてるととてもよくわかる)のですが、そこをぐっとこらえて「勉強」は封印する。
なぜなら子供は勉強はしなくていいとは思っていないのですから。
おわかりでしょうか。私は書いてる内容は真面目で堅いのですが、子供にとっては「ゆるい」のです。