6月11日に告知されてから数日経ち、まだ子どもたちには何も伝えていなかった


感受性の高い長女、不思議オーラ全開だが心優しい次女、家ではおとなしキャラ装っている末っ子長男くん。


特に、末っ子長男くん、中3で今年は高校受験だから、余計な心配をかけたくない


何をどう伝えるのか、伝えることでどのような影響があるのか、頭の中でぐるぐる考えながら、整理した。


さらに、数日経ち、大学生にもなると学校帰りのバイトやらでなかなか家族が揃う機会がなかったが、たまたまそのタイミングが来た。


パパ「この前、検査の結果が出て、前立腺っていうところのがんだった。これから治療していくことになるけど、がんが思ったより強いやつだから、大変かもしれない」


長女「手術すれば治るんでしょ?


誰しもがそう思うだろうし、自分自身そう思っていた。「根治は厳しい」、この言葉を言いかけたがやめた。


パパ「がんが骨とかリンパ節とかに転移しているらしくて、いきなり手術はできないらしい。まずは注射とか、そのうち抗がん剤とかかな」


長女「パパ、死んじゃダメ


次女「えっパパ、死ぬの?


これまでの話を理解していなかったのか、「死ぬ」って言葉にだけ反応した次女。


末っ子長男くん、何も言わず、黙って聞いている。


パパ「先生からは、1年って人もいるし、10年生きている人もいるって。平均で言うと、3年から5年くらいだけど、年とってる人とかもいるし


1年という言葉に反応したのか、再び


長女「パパは死なないでしょ?


パパ「うん」


子どもたちにとっての「親の死」というものがどんなものか、少しだけ分かった気もする。


人はいつかは死ぬ。でも、死ぬまでの間に後悔することがなるべく少ないようにしたいとつくづく思った。


この日、たまたま訪れたタイミング。

予想していたよりも、淡々と終えた。