ふと思い出して読みたくなる本ってありませんか?

 

バタバタした日が続いたり、心が落ち着かないなど…
そして少し立ち止まりたくなった時に、僕には読みたくなる本があります。

 

大切なことを思い出させてくれる本、というか人といったほうがいいかもしれません。

 

今日は、そんな大切なことを思い出させてくれる人のお話です。

 

アラスカの自然を撮り続けた写真家

 

僕の後ろを歩かないでくれ

 

僕は導かないかもしれない

 

僕の前を歩かないでくれ

 

僕はついていかないかもしれない

 

ただ僕と一緒に歩いて、友達でいてほしい

 

アルベール・カミュ

 

 

絵に添えた言葉は、フランスの小説家、アルベール・カミュの言葉なのですが、

僕はこの言葉を目にした時、なんだかこれはあの人のようだと思ったのです。

 

その人とは生涯にわたりアラスカの自然を撮り続けた写真家、星野道夫さんです。

 

星野さんが残してくれた、写真や言葉は、いつも僕に大切なことを教えてくれるのです。

 

長い旅の途上

イラスト ヒデミツ
 

まだ独身の頃、たまたま立ち寄った本屋で、僕はある本のタイトルが気になり手に取りました。本のタイトルは「長い旅の途上」。

 

その本の帯には、「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」という星野さんの言葉がありました。

 

それを見た瞬間、僕は星野さんがどんな人なのかということも知らないまま、その本を買うことにしたのです。

 

家に帰り、ページをめくると、そこにはアラスカの厳しくも優しい自然のことや、そこに暮らす人々や生きもののことなどが星野さんの深くて温かい言葉で綴られていました。

 

星野さんが語るアラスカでの話がとても新鮮で、僕は明日の仕事のことも忘れて、深夜まで本を夢中になって読んでいました。

 

はじめての冬

 

 

あれから何年も経ち、当時まだ独身だった僕が、今では家族を持ち子育て真っ最中。

 

先日、また久しぶりに星野さんの「はじめての冬」というエッセイを読みました。そこには、こんなことが書かれています。

 

まだ1歳にもならない息子が、効用が散り始めたベランダに座り、

秋の風に吹かれている。

 

風がサラサラと葉を揺らすたび、彼はサッと世界に目を向ける。

 

その一瞬の瞳に、一人の人間として生きてゆく力をすでに感じるのはなぜだろう。

 

そんな時、カリール・ギブランの詩を思いだす。

 

「長い旅の途上」より 星野道夫

 

 

あなたの子供は、あなたの子供ではない。

 

彼等は、人生そのものの息子であり、娘である。

 

彼等はあなたを通じてくるが、あなたからくるのではない。

 

彼等はあなたとともにいるが、あなたに屈しない。

 

あなたは彼等に愛情をあたえてもいいが、

 

あなたの考えを与えてはいけない。

 

何故なら、彼等の心は、あなたが訪れることもできない、

 

夢の中で訪ねてみることもできない、

 

あしたの家にすんでいるのだから

 

カリール・ギブラン

 

 

日々の暮らしの中でいろんなことがあるけれど、ふと立ち止った時に星野さんが残してくれたものが、いつも僕に大切なことを思い出させてくれるのです。