大阪では有名な大トラ(泥酔者)専門と言われている病院だ。
粗悪なドラッグで突然暴れだした人間もここへまず運ばれる。
検査を受けたが、どこにも異常はないと言われる。おかしい、
いやそんな筈はない。現に立てなくなり、足に痺れが走る。
そして緊急搬送となり、中之島からも近くの大きな病院に入る。
さっき掛かった携帯はどこへ行ったんだろう、そして連れの
女はどうしたんだろう。
段々ともっともっと意識が遠のく。痛みはまだ左側、いや、
もう全身に及んでいる。力は入らない。
搬送されてすぐだろうが、家族の声がした。まだ酩酊している
意識のままだ。何故早朝に、どこにいたのか、どうやって答えよう。
救急隊員から説明を受けている筈だ。怒るだろうし、
下手をしたら酷く怒鳴られるかもしれない。
どう説明すればいいのか、自分が隠してきた事が既に知られている。
それよりも、ラブホテルに入る前に置いた、自分の車だ。
どこに置いた、あれはどこだ。タイムズじゃない、
最初に搬送された病院からそんなに遠くはない。
家族は車の免許が無い。どうやって、どうやって車を
自宅に戻そう。
鍵は、車のカギは。今着ている服は、病院の服だ。
自分の衣類がどこにあるか判らない。