講師を務められた関彰商事社長 関正樹氏

 

10回のAD授業を締めくくる最後の授業は,地元筑西市に本社を置く,関彰商事代表取締役社長の関正樹氏による「地元企業とスポーツ」と題する講義だった.

 

関氏は,筑波大学基金運営委員を務められるほか,アメフト等の試合や体育授業で利用される筑波大学セキショウフィールドの人工芝改修工事に対してご寄付をいただくなど,筑波大学に対して多大な貢献を頂いている.

 

その関氏の曽祖父が創業したのが関彰商事であり,主に石油製品の販売を祖業とし,100年以上に渡り,茨城,福島を拠点として,様々なビジネスを展開する地元優良企業である.

 

講義の冒頭,企業理念として「地域の社会と生活の向上に貢献すること」を第一に掲げていると述べられた.そしてそれを具現化するための方策の一つとして,できる限り地元人材を正社員とし採用する経営方針を貫かれ,実際に約2300人いる従業員のうち,2000名強が正社員として雇用されているとのこと.それも生まれた実家から,会社に通勤される方が大半であると聞き,まさに地元に密着した企業であることに驚いた.

 

その関彰商事が,スポーツを通じて如何にして地域に貢献しようとしているのか,あるいはスポーツを通じた新たなビジネスモデルをどのように構築しようとしているのか,それが本講義の主題であった.

 

関氏は,早くから地元茨城で開催されるスポーツイベントを積極的に支援され,セキショウオープンテニスやつくばマラソンの他,さまざまなスポーツイベントを主催,協賛されるなど,スポーツを通した人材育成と地域の活性化に尽力されてきた.関氏がこのような活動に取り組まれる理由の根底には,おそらくスポーツに内在する教育力やスポーツがヒトが元気する潜在力への深い理解があるものと思われる.

 

また,スポーツは地域貢献のためのツールにとどまらず,新たなビジネスモデルのシーズになり得ると関氏は力説された.具体的には,企業内には様々な経営課題があるが,中でも従業員の健康問題はないがしろにできない重要な課題であり,その課題克服にスポーツが貢献できるという.

 

企業が生産性を上げ,職場を活性化するためには,従業員の健康は最も基盤となる要因であるが,現状,病気にならないような手立ては講じられているが,より健康に,より元気になるための方策はどこの企業でも手つかずである.そこで,関氏はスポーツを通じて社員を元気にし,職場を活性化する健康経営ソリューションを提供したいと述べられた.

 

このような考え方は,実に新鮮で面白い.これまで我々は主にスポーツの競技力向上に注力し,スポーツを通した生産性向上を正面から議論することはなかった.しかし,「スポーツを通した健康経営ソリューション」というビジネスモデルが確立できれば,筑波大学で学ぶ体育系学生の職域開拓にもつながり,今後の発展が期待できる

 

来年度以降,筑波大学ADと関彰商事は,パートナーシップ契約を結び,この「スポーツを通した健康経営ソリューション」の開拓に取り組んでいく予定である.乞うご期待!