朝、店に来てから開店までの15分間。

これが今、自分の人生で結構幸せな時間である。


コーヒーを落とし、煙を吐く。


何も考えず、ぼーっとする。


世間一般からは少しずれた、『癒し』の時間。


全く、金の掛からない性分だと思う。



同僚のメンバーが辞めた。

いや、正確には、音信不通のまま、消えた、

と言った方が正しいかもしれない。


一ヶ月ほど前に

『二週間ほど、休みをください。』

そう店長に伝えたまま、連絡がつかない。


数日後、そのメンバーと仲の良かった客から、

『今東京にいるらしい』

と聞いた。



詳しくは聞かなかったが、どうやら向こうで仕事をしている、らしい。


呆れる反面、その行動力(?)に少し羨ましさを感じた。


彼の行動は、確かに無責任である。

だが、彼の人生は、彼だけのものだ。

彼がどんな生き方をしようと、彼の自由だ。

他人がどうこう言えるものじゃない。


僕は、彼の行動を責めるつもりはない。

ただ、元気でいてほしい。

それだけを願う。



N君よ。

もし、このブログを見たなら、連絡して欲しい。

君の給料、取りにこないとメンバーのアウト埋めるのに使われる、かもよ。



「トイレ行くから代走お願い」


常連のSさんからの指名で卓に入る。

配牌を取る。


⑥⑦⑧39六八八南南南發發中  ドラ7


東場の平たい場。


ドラが7なので9は打ちづらい。

3はメンツ候補の種だ。

六はダイレクト七と赤の受けがあり、はずせない


必然、中に手がかかる。


次順ツモ番の所でSさんが代走に戻る。


ツモ牌が「中」、打「3」。

3を切ってから「アレ?」という顔でかぶった中を見ている。


そのまま、局が進み流局。



「切ってたんだね、中。このまま手なりでいっても、

安いし遅いでしょ。

3か9切って色を見ていって欲しかったね。」


なるほど、と納得。


同時に、代走は基本的に『事なかれ主義』

を表した様打ち方だから、と心の中で思う。


上記の牌姿で3か9か、萬子に手を掛けて、

結果、面混等のアガリが生まれたとする。


それでも、僕には、他人の手牌の方向性を一気に決める様な、打牌は選べない。


自分の本走なら何でも切ればいい。

その結果が悪ければ、それは自分一人に返ってくる。


代走で打つ客の手牌は、その客の物だ。

少し大げさかもしれないが、

自分がその手牌の未来を決めることを、してはいけないんだろう。


Sさんに自分の意思を伝えることが出来ないまま、

「すみません」と一言謝り、その場を離れた。




朝一お客さんが来ないと、非常に暇である。


あまりに暇なので、靴下の毛玉をライターで

燃やしてみる。



凄い勢いで引火する。


すね毛も焦げた・・・・



人間、暇になれば良い事を考えないと云う。



多分、その通りだと思う。

他所の店に打ちに行った時、 

『当店のメンバーの打牌制限はありません』

とルール説明の時、言われた。


一度ラスを引くと約三時間分の給料がトブメンバーに対して

制限を付けて打て、という方が酷だろう。


客側からみても、メンバーの打牌制限が無い方が

ゲームとしても、面白いと思うのだが。



一度、自分の店でこんなことがあった。


オーラス、南家、トップまで3000点差の二着目。


11224499五五九九北⑨


⑨か北を切れば聴牌だが自分の河に⑥がある。


客には公言していないのだが、

自分の店では店長の方針で、

リーチ時、筋牌、客風での待ち取りが禁止されている。


しかしこの日、アウトがかなりかさんでおり、どうしてもトップが欲しい状況だった。


制約に反し、北切りリーチ。一発で出和了る。

打ち込んだ客が舌打ち付きで点棒を投げる。



我々メンバーは客が落とすゲーム代で生活している。

接客業なら客が不快と思う待ち取りをすべきでは無いのだろう。


それでも、と思う。

日当以上に負けている日ぐらい勝ちに徹さして欲しい。

メンバーとはいえ、人間なのだから。


客にとって、メンバーがいくら負けようが、関係無いのだろうけど・・・・




たまの休日、何をしようか考える。

世の中の勤め人は、日々のストレスを忘れる為に

遊びに出掛けたりするのだろうが。


メンバーを始めた当時はただ牌に触れているで楽しかった。

だが、来る日も来る日もルーチンワークの様に打牌を繰り返す毎日。

どうしても嫌になる、飽きる。

休日に、他店で打とう、という気にもなれない。


深夜に携帯が鳴る。

常連からの麻雀の誘い。

「麻雀やるんやけど、面子足らんねん。どうせ暇やろ。

今から迎えにいくから。」


有無を言わさず電話が切れる。


・・・・まあ、暇だが・・・・


特に断る理由もない。


そのまま朝まで打ち、帰路の途中、

結構楽しかったな、と思った。


仕事を離れても麻雀から離れていない自分に苦笑いしながら。


心の底にある「好き」という感情はこれから先も変わらないんだろうなぁ。









日々思った事や、駄文などを書いていきます。

 

私が勤めているのは、関西圏の雀荘。

レートは5の5-10。地域密着型の小規模店舗。

以前違う店舗で一緒に働いていた、当時のマネージャーに誘われ店を移り、現在に至る。