総合格闘技の五味隆典という選手の大ファンである。だからこそ、今の状態にはやりきれない気持ちがあり、もう一度奮起して欲しいし、“全盛期のあのときとはまた違う”「強い五味」を見せて欲しい。

心からそう思い、初回はそれについて個人的意見を綴る。




五味隆典の魅力は、そのストレートな悪ガキっぽさや学生の不良のような、まるで火の玉のような勢いであったのだが、最近の五味にはそれは無くなってしまった。それは勿論しかたない。五味も30代の大人になったのだから。

ただ、大人になったのは歳とそのような性格だけで、彼や彼のマネージメントサイドの、彼への“あまやかし”が今の状態を招いてしまっているとしか考えられない。




男、30代を超えたら結局自分の為だけでは難しい。

体力的に20代とは大きくビハインドな状態であり、そこで強さを保つには、よほどの努力が必要――、それを可能にするモチベーションは、自分個人だけではなかなかに難しい。


余談だが、MMAにしろボクシングにしろ・・・そっからやってける選手というのは、支えてくれる妻や、食わせていく子供という守るべき家族の存在が大きいのではないかとも思う。BJ、ケンフロ、魔裟斗、辰吉を見てそう感じた。

自分の遺伝子を継いだ者に「強い、俺の姿を見せてやりたい」「メシを食わせるために、稼ぐ」そう思ってる男の執念にはかなわない。これはサラリーマンの仕事に置き換えても同じだ。

自分以外の他人や他人の生活を守るという行為は、人間の中で最もめんどくさいことであり責任感の重大なことなのだから。




本当に勝ちたかったら、生活スタイルやプライベートから自分に窮屈感を味わうことや、ライフスタイルを改善することも必要だ。例えば結婚したことで夜遊びできないから酒の量も減る・・・窮屈な生活だが体力アップにはとても貢献するし、この歳になったらそのような生活のマネジメントが一番大切なことなのだ。

三度の栄養を考えたメシと規則正しい生活。アマチュアの選手でも世界を見る人間にとっては当たり前のことだが。


勘違いして欲しくないのが、だから結婚しろと言っているわけではない。ただ、無条件に守るべき者があり、そのために闘う人間の潜在的意識やハングリー、そして体のメンテナンスが行われる毎日の環境にかなうくらいのものが必要ということだ。




「これが俺流」というようなことがあるのであれば、ハッキリ言わせていただく。結果にすべて出ているではないかと。必然的に何か自分自身に改革が無ければ、これ以上は見込めないであろうし「楽しんでやりたいからそんなめんどくさいこと出来ない」そうなのであれば、プロは辞めるべきでもある。(そんな発言は無いが例えばの話である。)


『これまでもこうやって勝ってきた』は通用しない。『これまで』とは確実に体は年齢を増し、変わってしまっているのだから。


ただひたすらな練習と勢いでどうにかなるのは若い頃までだ。若い頃は体力も伸び盛りで、練習すればどんどん吸収されテンションでなんとかなる。


中年世代に入り込んだ今、今までと同じではいけない。

今までよりもっと嫌と感じることをしなければならない。

今までよりもっとハングリー精神がなければならない。

それが大人になるということなのだから。




勝てない今。

歳をとった今。

注意して改善し、普段から気をつけていることなどはあるのか?


きつい練習なんて当たり前だ。そんなことは選手全員がやっている。

それ以外で、意識していることはあるのか?




ここ数年の自分の試合VTRを見て欲しい。

あの全盛期の頃よりやたらと大人びた自分がそこには居るはずだ。恐怖を覚え、とても保守的になった自分が――。勿論それは全く否定に値しないことだ。

それだけ変わったのだから、方法も性格も変えなければならないということだ。

もしくは、あの時以上に“火の玉ボーイ”を彷彿とさせるギラギラ感を持つかだ。恐れを感じさせない、鉄砲の弾のように襲い掛かる野性的な鋭さを。


ある一面が大人になってしまったことに対して、側面では全く大人になれていない。そのような歪みに彼自身がもがき苦しんでいるように見えるのだ。



五味隆典という選手の姿から勇気付けられてきた者、そして彼自身に憧れてきた者が何百・何千と居る。

そして自分もそうだがファンは勝手なことを言う。勝てば歓喜し、負ければ叩く。でもそれだけ彼の勝敗で皆一喜一憂、熱い者は怒りまで覚えるのだ。それほど、皆を虜にしているのが五味なのである。




やっぱり五味には勝って欲しい。「勝つべき人間」なのだから。

五味のあのファイトスタイルで勝つ格闘技をファンは求め、その偉業を成し遂げてきた彼に惚れ込んできたファンは少なくない。五味が勝つことで格闘技界は盛り上がる。それが五味隆典だと思うのだ。