朝、Facebookのページを開いて驚いた。
僕の拙いFbページ『ジャーナリスト 石川秀樹』
に、きのう取材させていただいたばかりの樋渡啓祐・佐賀県武雄市長がページの「ファン」になってくれたのである。
樋渡さんはツイッターをいち早く市の行政に取り入れたり、市のホームページをFacebookページに切り替えたりと、ソーシャルメディアに強い市長として知られている。
言葉も行動も(首長の標準から見れば)過激で、物議をかもす。
メディアへの発信を狙って、物事を劇場化するのが得意である。
だから一部では「暴走特急」と呼ばれ、批判の矢面に立つこともしばしばだ。
お会いしたとき、市長は少しピリピリしている感じがうかがえた。
公務多忙の折である。
元々、一民間企業の出版社の取材など迷惑であったに違いないが、Facebookつながりに免じて快諾をいただいた。
秘書の方との打ち合わせでは「1時間半」の取材時間だったが、状況にかんがみ、半分で切り上げようと決めた。
話の中で最も聞きたかったのは、「Facebookを活用した次の一手は何か」である。
すると樋渡さんは「ないです。全然」と即答した。
にべもない。
しかし一瞬後、補足するように「思いついたらやります。ようするに僕は基本、反射神経なんで。やっていることも、いっていることも」。
そのとき電話が入り、この話はそれっきりで終わってしまったかに見えたが……。
インタビューの後半、「やりたいこと全部やっちゃったのでは?」と聞くと市長は、「いや、400やりたいことのまだ4つくらいですよ。市立病院民営化も図書館の民間(TUTAYA)委託も、F&B良品も」という。
400もあるとすれば、まだまだ先が長い。
「だから死ぬまで市長をやっていたい。4年ごとに市民に審査してもらって」
なるほど、武雄市にとっては心強い。
そして最後に大きな構想を語り始めた。
「どこにもできない観光をやりたいんですよ」
いきなりで、意味を量りかねていると
「僕らが観光資源になる、行政が」
確かに武雄市には地域活性化をめざす多くの市町村議員や行政関係者が視察に訪れる。
が、樋渡さんが見ているのはその先だ。
「武雄をダボスにしたいんですよ」
政財界人の知の邂逅の場として知られるスイスのダボス、あるいは音楽祭の都市ザネツブルグのように。
それにならえば武雄市は、“ふつうの人々“の知と意欲と行動が交差する場になる、ということなのだろう。
「やはりFacebookの出番がありそうですね」
「それはもう……」
こんな感じで僕の取材は終わった。
そそくさと席を立とうとすると、「つながる部をご紹介しますよ」と自ら3階フロアを案内してくださった。
さらにFacebookの市営通販サイト「F&B良品」の職員のところにも。
主任の古賀敬弘さん、 Fukuda(福田史子)さんと話ができ、今までは遠い存在だったサイトのイメージがにわかに明確になってきた。
こちらのわずかばかりの気配りに、市長も気配りで返してくれたのだな、と思った。
そしてさらにきょう……。
庁内でも「独裁者」というよりは、直球を投げつつその球威の波紋をいつも気にかけているエース、といった趣き。
『だからこの人の期待にこたえたいと思うんだろうな』
外から見れば変哲もないコンクリートの武雄市庁舎が、中に入ってみるとやけに明るかったことを思い出した。
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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしていますが、ジャーナリストであり続けたいと思っています。また、61歳で行政書士の資格を取り今年8月に開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」として熱く語り続けています。
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