明るいほうへ
ある著名な方の話。
先日のこと。
奥さんが庭先で小さな歓声をあげてた。
何にそんなに感動してるんだろうって近づいてみたら、
雑草が庭のすみで小さな黄色い花を咲かせてたんだって。
その草は、実は一度摘み取ったものだった。
その方の家じゃ、摘んだ草は庭のすみに仮に積んでて、
ひとまとめにして堆肥を作ったり捨てたりしてるらしい。
そのとき一本だけ集め忘れて土の上に置き忘れたんだろう。
一度引き抜かれたうえに、置かれた場所はほとんど日が当たらない場所。
でも、その花はひよひよとした細い茎を必死で伸ばして、
日の差す方に自分を向けていき、花を咲かせている。
細い茎がくねくね伸びた姿は、決して見場がいいわけじゃない。
でも、花は花びらの先までシャキッと開き、
その黄色い色も、
太陽をいっぱいに浴びた向日葵に見劣りしない鮮やかさだった。
あまりのけなげなさに、その方達は毎朝、
その花を見るのが楽しみになった。
…ふと思う。
もし、この花が口がきけたら…
自分を『運がいい』と言うだろうか。
それとも、『運が悪い』と言うだろうか。
一度は引き抜かれ、捨てられそうになった。
でも、なぜか一本だけ、そこに残された。
根は土中に張ってないし、ろくに日も当たらない。
でも、その草は明るい方へ明るい方へと必死に首を伸ばして花を咲かせた。
そのおかげで、毎日誰かを感動させてる。
人には…
その花のような生き方を求めることはできないのかな…
今日も、もう終わるけど。。。 『いいお言葉』![]()
明るいほうへ
明るいほうへ。
-詩人 金子みすゞ



