改めてゆっくりお返事させて頂きます。
駿佑、亮佑は今日からミルクも始まり、ありがたい事にしっかりと哺乳瓶をくわえて飲んでくれています。
それは普通の光景なんですが、わかなにとっては、それがとても大変な事で、ほとんど出来なかった…。
代わりにミルクを湿らせた綿棒を一生懸命吸うわかなの姿が今も鮮明に甦ります。
わかななりに、頑張っていたんだよね…。
そしてわかながNICUを卒業して約1年振りに、わかなの主治医の先生に再会しました。
そうです。わかなはその先生の顔をみると表情が固まり、身動き出来なくなっていました。
理由は、先生が登場すると必ず痛い思いをするからです。 はい、点滴と注射です。

わかな、いつも泣かされてたなぁ…。

その同じ主治医が今回の双子達も担当して貰えるとの事でひと安心。
わかなにとっては天敵でしたが、本当に信頼出来る良い先生です。

そして先生から、
「わかなちゃんの写真を頂けませんか?」
理由は、18トリソミーの子供に対する治療方針や病気に対する考え方、家族に対しての説明の仕方などに関して、産科医と小児科医で認識の差が、まだまだあり、18トリソミーの診断の時点で絶望的な説明しかしない産科の先生も沢山いる。
けれど、小児科医として18トリソミーの子供や家族と接する医師の立場から、18トリソミーを受け入れ、例え僅かであっても、希望を持ち、幸せな時間を過ごした家族がいることを、産科医と小児科医合同の学会で、わかなの事を発表させてほしいとの事でした。
「ええ、是非喜んで。宜しくお願いします。」 僕も嫁さんも二つ返事で了承しました。
「我が子が短命であるという現実…。」
勿論その事実は、どのように説明されようと、受け入れる事は簡単な事ではありません。僕自身も当然そうでした。混乱と恐怖と絶望しかなかった…。
けれど、その中でも娘に対して希望を未来を見ることが出来たのは、やはり先生の一言でした。
「18トリソミーを治すことは出来ないけれど、起こりうる疾患の一つ一つには治療法があります。わかなちゃんは家に帰れる可能性はありますよ。」
僕にとって幸運だったのは、産科の先生も小児科の先生も、厳しい現実を伝えた上で、その先に僅かでも希望があることを伝えて貰えた事でした。
周囲から見たら、短命である事が確実な我が子を授かる事は、不幸以外の何者でもないと思われるのだろうと思います。
ただ僕自身、わかなを授かって一瞬たりとも、自分自身やわかなが不幸だなんて感じていないんです。
逆に娘は沢山の人達に愛されて、幸せな人生を過ごしたなと、羨ましく思えるくらいです。
子供に先立たれる以上の哀しみなんてありません。僕自身、娘の死を全て受け入れられている訳ではありませんし、時間が経過しようが、新たな生命を授かった今も、その哀しみが癒えることも、忘れられる事もありません。
けれど、はっきり言える事は、娘が生まれてきてくれて、本当に幸せな時間を過ごしましたよって事です。
そしてそう過ごせたのは、医師や看護師さん達、周りの人達のお陰なんです。
だから今回の先生の発表で、18トリソミーをはじめとした疾患を持つ親御さんに対しての、医師の接し方に良い効果が生まれるきっかけのひとつとして、わかなの生涯が誰かの役に立てたら、本人もきっと喜んでくれると思います。
弟達、お姉ちゃん立派に頑張ってるぞ!